第2話 にいなとりゅうき

「よし、じゃあ行こー!」

七瀬さんのハイテンションな声が教室に響いた。

でも、まだSHRやってないような、?

「にいな、まだSHRやってないよ?」

そうですよね、!

「あ、忘れてたぁ~!」

「あいかわらず、にいなはばかだなぁw」

「うるさいっ!ばかって言った方がばかなんだよ!」


 清良さんたちの明るすぎる会話を聞いて、本当に俺で大丈夫なのだろうか、

 不快にさせてしまわないだろうか、と心配になってきた。

 だから、清良さんが俺のことを呼んでいることに気づかなかった。

「…ろくん!氷室くん!」

「わっ!あ、な、なんですか?」

「ん、敬語禁止って言ったんだけど」

「あ、すみません!じゃなくて、ごめん。」

「はい、それでよろしい!で、カラオケ、だいじょぶそ?」

「え、な、なんで?」

「だって今すごい難しい顔してたし、さっきはにいながめっちゃ

 強制的に決めちゃってたから。」

 やっぱ清良さんって優しいんだな。

 容姿端麗で性格もいいとか、そりゃあモテるにきまってるよな、。

「あ、なるほど…。別に俺は大丈夫だよ。でも、清良さんたちは

 俺が一緒にいて嫌じゃない?」

「だーかーらっ!あんたは一緒にいてもいいかなぁと思って誘ったんだから、

嫌なわけないでしょ!」

うわ、びっくりした、。声でかいなぁ、。

「あ、七瀬さん…。ありがとうございます…?」

「敬語禁止ーっ!!」

「あ、ごめん」

「みんな!今日、先生ちょっと忙しいので、SHRなしで!ごめんね!また明日!」


「いぇーい!じゃあ、あのクソリア充抜きでカラオケ行っちゃいますかぁー!!」

「にいな、テンション高っかwww 氷室、よろしくな!俺の名前わかるか?」

「あ、よろしく。えっと…名前…。」

やっべ。この人の名前なんだっけ?

「天谷隆輝だ!覚えてくれよっ!」

「あ、天谷君か、。覚えておくね、」

「りゅうきって呼んでくれ!」

「あ、わかった」

「自己紹介的なのはカラオケついてからでいーじゃん!早くいこーよ~!」

「どんだけはしゃいでんだよw ばーかww」

「ゆいかぁ~~!りゅうきがいじめてくるぅ~~!!」

「どっちもどっちでしょ!てか、氷室くんが困ってる!痴話喧嘩は後にして!」

「痴話喧嘩じゃねーし!」「痴話喧嘩じゃないしー!」

めっちゃ仲良いんだな、この2人。

「ごめんね、にいなとりゅうきはいつもこんな感じだから、気にしないでね!」

いや、ふつーに気にするだろ!?って思ったけど、

「あ、りょーかい」

って言っておいた。

「じゃあカラオケ行っちゃいますかーっ!」



「え、あの子めっちゃ可愛くね!?」

「あの男の子めっちゃかっこいいんだけど!?」

「やば、ビジュ良すぎ…。芸能人かな?」


やっぱこの人たちオーラがキラキラしてるからめっちゃ目立つよなぁ、、、


「おい、にいな」

「ん?」

「……手つなぐか?」

「へっ!?」

「いや、にいなすぐどっか行っちゃうからさ…はぐれたら困るなって」

「そゆこと…?じゃあ、つなぐ……」

え、七瀬さんと隆輝ってどういう関係!?

俺が疑問に思ってることが伝わったのか、清良さんが教えてくれた。

「あのね、ここ2人、両片想いっぽいんだよね…」

「付き合っては?」

「いないらしいよ」

まじかよ、、

「なんで付き合わないんだろう…」

「二人とも鈍感すぎるんだよねー。たぶんお互い両想いだってことに気づいてない

んだと思う。りゅうきに至っては自分がにいなのこと好きだってことにも気づいてないっぽい」

いや、鈍感とかいう次元じゃないだろ

「それ、逆にすごいですね…」

「ん?(⌒∇⌒)」

やべ、笑顔なのに怖い…

「あ、逆にすごいね…」

「うんうん!そーだよねー!」


「ゆいかーー!ひむろーーー!!はやくーーー!!!」

「別に急がなくても、カラオケは逃げないよ?」

……それな!!








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