第1部時系列と、外伝&補足

◆聖王暦438年5月


◎1日深夜未明

リョウスケが遺跡の傍で目覚める。

ルーファス・クロウサス(以下、大先生)と遭遇し、一悶着あったが集落へ連れて行かれることに。

集落の入口で待ち構えていた守護者ギルバート(以下、ギル)と遭遇しルーファスから浄化を施術される。

≪外伝&補足≫

ギルはリョウスケらと別れたあと、その足で集落長の家へ。

異変を察していた集落の民らは、集落長の家に集まっており今後の対応を話あう。

本来であればこの様な夜更けに余所者を集落内に入れる事はあり得ない話だが、大先生の意向には逆らえず、嫁入り前の娘らと幼い子供たちとそれを世話する大人たちが明朝近隣の集落へ避難すると決めた。

ソフィアはギルから大先生の家には近づくなと忠告されていたが、家に帰るフリをして大先生の家へ押しかけた。


◎1日昼間

大先生の家で目覚めソフィアと懇談。

その後、リョウスケは大ケヤキの下で大先生から滅殺魔法を受けるが、無傷で事無きを得てしまう。

≪外伝&補足≫

大先生は早朝より滅殺魔法陣を描いており、この間に集落長を言葉を交わしている。

リョウスケに対し滅殺魔法を行使すると告げた相手は、集落長とソフィアとギルの三名。

大先生は集落の民の避難は滅殺魔法の結果を見てからで良いのでは?と集落長に提案していた。

それを受け、集落の人々は様子を見ていたが結果リョウスケは生き残った為、集落長の家に招いている間に子供らの避難を開始する。

特異な者を集落に入れた際に嫁入り前の娘や子供らを避難させる風習は集落で生まれ育った者だけに適用。

その為王都出身のソフィアやその甥のロッタ、薬屋のマイルズの妹レイラは集落の人々と一緒に避難する事も出来たが、それに応じなかった。

ベリンダやノーマらも当初は避難する予定だったが、ベリンダがソフィアやレイラたちが避難しないと知り自分も残ると言い出した。

ノーマらはベリンダが残るなら私たちも残る……と言い出す。

そもそもベリンダとノーマは集落で生れ育って無い為、風習は適用外なので強制は出来なかった。


◎1日午後

大先生の家で天啓の石板を使いリョウスケのギフトチェック。

この時に目を引いたのは【言語理解】のみでその他の能力値は見るべきところが無かったと、大先生談。

その後、集落長の家で歓迎会……同じ集落にいるなら敵対するよりも、親密にしておいた方が良い。と、これは集落長の判断。

歓迎会にて集落に来ていた商人のドナルドと出会う。

ドナルドは集落長の家に訪れる前にドッズや大先生らと会い情報交換を行っている。

ザーフィラは驢馬車の整備と荷台の整理整頓をして、それから集落長の家へ向かった。

≪外伝&補足≫

ドナルドは酒を飲んだ後、次の集落へ向かうと言っていたが、彼らが向かった先はカン砦だった。


◎2日午前

早朝に宮廷魔法使いサイラス・フラカンと宮廷騎士アラン・ヴィシエが密命を帯び大先生の家へ来訪。

宮廷から来た二人はリョウスケの存在を知らなかったので、かなり警戒をしていた。

≪外伝&補足≫

密命を帯びていたのはサイラスのみで、アランは詳細を知らず。

しかし、ここまで情報公開されない事は珍しいので、アランはある程度察していた。

宮廷魔法使いが直接動くとなると、他国からの侵略か王家絡みの情報を携えている可能性が高く、前者であれば宮廷騎士であるアランの耳に入る為消去法で後者となる。

この後大先生とサイラスとアランは森の奥深くで事の詳細を情報共有する。

大先生から集落長へ提供した情報は、急遽王都へ戻る事になった事と、近い将来国難が訪れる可能性がある為それに備える様に、という事だけ。

ナマズ鍋の時に集落長とベリンダとギルはこの件に関して頭を突き合わせて相談話し合いをしていた。

余所者であるリョウスケの耳には一切情報を入れるな、と大先生からお触れが出ている。


◎2日午後

ドッズが大きなナマズを持って来てくれたのでナマズ鍋を作る。

その後は集落長の家でサイラスとアランの歓迎会。

≪外伝&補足≫

ベリンダは好奇心旺盛なのでリョウスケに興味を抱いていた。

彼女はトリス街出身で、そもそも集落の仕来りに従う気があまりない。

ノーマは幼少期に両親が他界した後からベリンダに我が子同様に育てられているため、何をするにしても基本的にベリンダのマネをするタイプ。

ローナとタミーはナマズ鍋を食べたあとに、隣りの集落から来た夫たちに無理やり連れて行かれてしまったが、ノーマはそれすらも断り集落に残った。


◎2日夜

サイラスとアランの歓迎会後に大先生の家で懇談。

貴族や騎士家の問題や宮廷内の派閥の問題などを語り合う。

その中で昨日の魔法陣は滅殺用であり、浄化では無かったと告白される。

その後、今を生きる英雄などの話をして就寝。


◎3日朝

本日は大先生とサイラスだけで大森林で引継ぎ業務。

朝稽古でソフィアVSアランを観戦。

ソフィアの圧勝で終わり、その後彼女の家で朝食を頂く。

≪外伝&補足≫

大先生とサイラスは大森林で引継ぎを行いつつ、今後のサリィズ王国の展望を語り合った。

大先生が不測の事態で急逝した場合のサイラスが取るべき行動や立ち回りなどもこの時に伝えてある。


◎3日午前

ソフィアから打ち身に効く塗り薬を預かりギルの家へ。

その途中大ケヤキの下で酷い頭痛と眩暈に襲われ、意識を失いそうになる。

この時点からこの世界の文字が読める様になり、魔法陣に使用されてある古代文字も理解出来る様になった。

その後ギルの家に向かいアランらと会話。

途中薬屋のマイルズが訪れ、商談が発生。

マイルズが去ったあとドッズが現れ、リョウスケとコールはドッズと共にギルの家を出た。

≪外伝&補足≫

マイルズはこの後ソフィアの家へ向かい妹のレイラとロッタと共に、アランに渡す薬セット作りに奔走した。

大荷物に出来ない為、薬を厳選する必要がありその選別に時間を要する。

細かな処方箋も作成したため、この日マイルズは徹夜の作業となった。


◎3日午後

ドッズとコールと共に集落の外にある鳥小屋へ。

鹿肉の血抜きや捌き方、大先生との関係性やドッズの生い立ちなどの話をする。

コールは途中で隣りの集落へ鹿肉を届けるため離脱。

焼き場で肉を焼き始めると、森の中から大先生とサイラスが現れ森林魔法の引継ぎに関するやり取り発生。

食後は大先生とサイラスと共に大先生の家へ。

≪外伝&補足≫

ドッズはこの後クヴァスと岩塩の比率を変え、一番鹿肉が旨い味付けを早くも見つけてしまう。

彼は王都やトリス街で生活していた経験があるので、この味なら一勝負出来るな、と頭にはあった。


◎3日夜

大先生とサイラスと共に、再び天啓の石板で能力測定。

リョウスケが石板に手を置いた際、石板のアップデートが始まり、時空間魔力の測定が可能になった。

リョウスケはこの時新たなギフト【不朽不滅】を獲得。

この結果大先生はリョウスケを王都へ連れて行く事にした。

サイラスと大先生のギフトと能力値を確認し、自分が如何に特異な存在であるかを再認識した。

≪外伝&補足≫

能力測定時にサイラスの様子がおかしかったのは、リョウスケと大先生のギフトと能力値が常軌を逸していたから。

サイラスが焼き場にやって来た時に不機嫌だったのは、アランがソフィアとの手合わせで負傷した事が大先生にバレて同席していたサイラスも一緒に怒られたから。

その流れでリョウスケも大先生から怒られて問答無用で昏睡魔法を掛けられる。



以下、自問自答。

Q①

大先生はなぜ当初リョウスケを王都へ連れて行かないとしていたのか?

A

【言語理解】の所有者であり、自身の魔法を無効化したリョウスケの事は特別な存在と認めてはいたが、ササラ人の容姿で目立つため受け入れ態勢を整えるつもりだった。

サイラスらがもたらした密命がかなり大きな問題だったため、大先生は立場上王都へ着くとリョウスケの面倒を見れなくなるので、色々と手を打たなくてはならなかった。

【不朽不滅】と時空間魔力を見た後は、リョウスケの存在が大先生の中で密命案件を超えてしまった為、これはもう王都へ連れて行かねばならぬ!という決断。


Q②

植物や動物の名前とか、どういう決め方?

A

元居た世界と同種同類のものは同じ名称。

例えば、一見ネコでも足が六本ある生物はネロとか、一見ヒマワリでもマナを糧に育つ植物はマナワリとか……そういう感じで名づけしてます。


Q③

結局、主人公はチートなのでは?

A

確かにチートですがオレツエエエエや無双は出来ない仕様になってます。

これに意図はありますが、ここで書くのもアレなので本編で追々描きます。


Q④

今後、センシティブなシーンはありますか?

A

当然、あります。

リョウスケは三十五歳の大人であり、過去に恋人もいましたので童貞ではありません。

第1部はリョウスケがこの世界に転じてから三日間の話ですのでそこまで深い関係性は築けないかなあと思うのです。

今後は機会があれば彼も色々な人と色々なことをすると思います。

その為に魅力を高めに設定してるみたいなことがあったり、無かったり……。


Q5

とんでもなくスローペースな物語ですが、最終的にはどの様な展開になるのです?

A

リョウスケの立ち回りとしては、彼はほんの少しずつ成長しつつ周りの英雄や有名人の偉業を一緒に体感してゆく、みたいな感じです。

三国志で言うと、劉備、孫権、曹操の陣営を渡り歩いて最終的には新君主として旗揚げした……みたいな人物いたら面白そうだなあと思い。

知り合いが沢山いて、三国の全てに隣接した土地で国を興して、各陣営の著名人があれやこれや問題を新君主に持ち掛けて来て、それを解決してゆく、みたいな。

訳わかんないと思いますけど、そう言う感じにしたいのです。


以上、自問自答コーナーでした。


引き続き

異世界探訪奇譚-魔女の弟子編-第2部をお楽しみください。

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