第4話 稀代のエンチャンター~後日談~

「こちら雷の攻撃魔法が付与された指輪でして、あなたに痺れていますという意味が込められていますので奥様への贈り物には最適ですよ」


「ほほう、護身用にも使えるのかね?」


「いいえ、残念ながらそれほどの威力はありません。むしろ私の気が移ろいだらもう一度痺れさせてくださいという意味を込めて威力は抑えてあります」


「まぁ、なんて素敵なのかしら。あなた、これを買ってくださらない?」


「ふむ、そうだね。トパーズの色もなかなかに美しい……いくらかね」


「そうですねぇ……本来ならば10000ゴールドですが、今後もご贔屓にしていただけるのであれば8000でいかがです? 」


「商談成立だな。女の商人なんてと思っていたがこれは認識を改めねばならん。君の名前を覚えておこうエルマ君」


「ありがとうございます旦那様」


 1000ゴールドで仕入れて4000ゴールドで売るつもりだった指輪はその倍の値段で売れましたとさ。

 それとシリーズものの魔剣はお蔵入りになったけれど、それ以外の炎の魔剣は全部予定していた売値の10倍で売れたのでカリンに支払った金額の数十倍の資金が手に入った。

 うん、エンチャンターやばいね。

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