第4話 〜冒険の前の物資集め〜後編〈裕介の独り言〉

さて...これからなのだが、イジメっ子への復讐として、最低限必要なのは〈武器〉

である。そこで、たまに寄るナイフやハサミなどの金属系を取り扱っているお店、

【Jacksknife】というお店に寄ることにする。


【Jacksknife】

ガラガラ...


「おっ!裕介じゃないか。」


あ、覚えててくれていたんだ。この人の名前は〈小形 優作〉(オガタユウサク)。

世界で有名な日本人刀鍛冶の一人だ。彼の本店はここにあり、支店は世界中にある。

うむ...やはり僕の考えは合っていた。陳列された売り物の中には〈ショートソード〉や、〈ロングソード〉といった、いかにもな異世界系あるあるの武器が並んでいる。それに、まさかの盾まで。


「あ、優作さん。頼んでおいたものはある?」


まぁ、こんなことはないだろうけどって思いながらも両親には内緒で優作さんに、

小刀(異世界で言うショートソード)を作ってもらっていた。ここで使う日が来るとは思いもしなかったけど、備えあれば憂いなし。これが僕の考え方だ。


「はいよ...ちょっと待ってな。作り終えてるから今出すよ...」


やはり仕事が早い。この感じは頼んで4日ぐらいで終わらせていた雰囲気だ。逆に待たせてしまってこっちが悪い気分になってしまいそうだ。受取日は今日なのに。


「ほいよ、裕介のためにこだわり抜いて作った名作だよ。」

コトン...


目の前においてもらった小刀はどこか日本刀のようだ。もしや...日本刀を小さくしたバージョンではないよな...そうだったら剣術を少し学んでいた僕からしてはもの凄くありがたいことだ。切れ味も良いしなんにせよ優作さんのものは軽いのが特徴だ。

そこで聞いてみることにした。


「もしやこれって日本刀を小刀にしたようなものじゃないよね...?」


そうやって発した言葉の返答は案の定、


「そうだな。」


という四文字で帰ってきた。そうだな、じゃないのよ。だんだん優作さんが怖くなってくるよ。そして、一言礼を言って次に行く場所、【ModelingGunPlace】に行くことにした。


【ModelingGunPlace】

ウィーン...


「いらっしゃいませぇ〜」


いつも変わらない場所だ。僕の趣味はサバゲーということもあり時々、此処でサバゲーの武器を買っていた。だが、陳列棚の中には本物の銃も紛れている。本当に怖い。

だか、今回に関してはその本物の銃を用意してもらっていた。


「あ、予約していた裕介です。」


「では、こちらへ。」


そうやって連れられてきた場所はバックヤード。そこには僕のための銃と、その銃のための実弾が机に置かれていた。そう、〈Cz75〉だ。


「こちらでよろしいでしょうか?」


「はい、そうです」


本当に準備が良いな、僕。そうして机に置かれていたものを受け取り一言礼をしてこの店を出て行き、【JapanMarket】を後にした。。そうして、〈復讐〉を兼ねた冒険が今、始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る