わたしとブッチー

ヤッキムン

わんっ!

わたしは小学4年生の時に、福島県郡山市から愛媛県松山市の小学校に転校して来た。


それから、まもなく。


イヌのブッチーも、家にやって来た。

その時は、まだ生まれたばかりの赤ちゃん。


だんだん大きくなって、庭で走りまわってる。


家の庭は、結構大きくて、ブッチーは、おもに庭で暮らしてる。

いつも庭を走りまわってる。


学校から帰ってくると、ブッチーは、いつも、わたしのところに走って来て、飛びつく。


めっちゃ嬉しそう。

しっぽをふりふり。


わたしは少年合唱団に入ってる。日曜日に定期公演に出かける時は、ブッチーもわかるのか、何か歌でも歌ってるみたいに、わたしに抱きつく。


学校の運動会に出かける時は、ブッチーもわかるのか、わたしのまわりを走りまわる。


ブッチーは食いしん坊。

ごはんは、いつもブルーのプラスチックの食器で食べてるけど、食べ終わったら、その食器をサッカーボールみたいにして、けりながら走って遊んでる。


ブルーのフリスビーでいっしょに遊ぶ。

投げると、めっちゃ嬉しそうに、そのフリスビーめがけてジャンプして

パクッ

と、うまいこと、くわえる。


わたしのブッチーを好きな気持ちの、1.5倍くらいには、ブッチーはわたしのことを好きだ。

ブッチーは、わたしたち家族みんなのこと、めっちゃ好き。

それはいつも感じる。


そして

中1の時に、わたしは沖縄に引っ越すことに。


引っ越しの近づいた、ある日。


学校から帰ったら、ブッチーは家にいなかった。


知り合いのイヌ好きな人のところへ、わたしの学校に行ってる間に、ブッチーは行ってた。


「なんで~?ブッチーに、あいさつ、まだしてないのにー」

って言ったら


「さびしいのはブッチーのほうなのよ...」

って言われた。


「別れる時に、あなたいたら、ブッチーは泣き叫んで、あなたと別れようとしないから...」


そう言われた。


「ブッチー、今も、わたしのこと想ってくれてるだろうなー!新しい家で...」

夜、ふとんの中で、わたしは、ずっとブッチーのこと考えていた...


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わたしとブッチー ヤッキムン @yakkimn

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