ユウ君の成長日記

神在月ユウ

0年目

 おぎゃぁ、おぎゃぁ。


 とある地方都市の病院で、新たに産声が上がりました。


「おめでとうございます。元気な男の子ですよ」


 ベテラン助産師さんの声に、ぐったりとしたお母さんが微かに笑みを浮かべます。


 10月某日、神在月家に生まれた3100グラムの男の子。


「やったな、頑張ったぞ」


 お父さん、なんとか仕事を切り上げて、出産の立ち合いに間に合いました。

 この1ヶ月、ずっとそわそわしていたんです。

 連絡を受けてすぐ、子供が産まれるんで!と同僚に仕事をお願いしてきました。同僚だけでなく、上司も快く送り出してくれました。

 ちょっといつもよりテンションが高そうです。


 名前はもう決まっています。

 お父さん、毎日毎日ずーっと考えてましたからね。

 今風の名前を考えて、奇抜過ぎるとか、普通過ぎるとか、これじゃキラキラネームだとか、たくさんたくさん悩みました。


 この子の名前は『ゆう』君。

 やさしい子になるように。

 すぐれた子になるように。

 両親の思いを受けて、ユウ君はこの世に生を受けました。


 お父さんもお母さんも、ユウ君が生まれてくれて、幸せいっぱいです。

 

 どんな子に育つのかな。


 これから大変なこともたくさんあると思うけど、お父さんもお母さんも頑張って。


 ユウ君も、たくさん食べて、たくさんおねんねして、健康に育ってね。



 このお話は、今日この世に生を受けた神在月家の長男・優君の、成長のお話です。


 みんな、ユウ君にはこれから大変なことがたくさんあると思うけど、応援してあげてね。

 

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