本好き少女の異世界攻略物語

めーちゃん

第1章

第1話 異世界召喚



学校の休み時間。クラスメイトが騒いでいる中、私は本を読む。

クラスメイト達は永遠と喋り続けている。そんなに話す内容があるのかな、いつも不思議に思う。バカらしくて私にはできない。

受験生なのに。といっても私も本を読んでいるけど。

まあ私のキャラはドジで、おっちょこちょいな本は読んでいるが真面目というわけではない普通の女子中学生だ。


なんて心の中でつぶやきながら本の続きを読む。


するとクラスメイトが急に騒ぎ始めた。

うわ。うるさい今、本読んでるから集中したいのに。

そう思い顔を上げると異変に気づいた。


教室の床が白く輝いていた。


えっ、なにこれこの状況シュールすぎ。


教室の床一面に、文字や図形が広がる。

もしかして魔法陣?いやいやあり得ない、現実的に無いわー。

異世界転生っぽい雰囲気出てますけど私は嫌だよ。まだ本を読み切ってないのに。


そして目の前が真っ白な輝きに染まった。





目を開けるとそこは見たこともない場所だった。

周りを見渡すと、起きている人が半数以上いるがまだ眠っている人もいるみたいだった。


何があったかと思ったところで思い出した。

教室が白く輝き、この場所に移ったこと。


冷静に考えるとこれは異世界召喚ってやつなのではないかと思う。いや冷静に考えてもあり得ない。

私はファンタジー小説は好きだが、全く現実的にはそういう異世界召喚的なことはあり得ないと思っているタイプの人間だ。


でも知らない場所に移ったことは間違いない。

私自身、異世界召喚という名の誘拐に合うなんて思ってもいなかった。

まあまだ異世界召喚とは決まっていないけれど。


もしここが異世界ならばアレができるはず。よしステータスOPEN!



名前 「垢月由香あかづきゆか」 「15歳」 種族 「異世界人」 職業「なし」


Lv1 HP 50/50 MP 50/50 経験値1/100


潜在能力「ブックポイント」New!


固有スキル

「ブックストア」「魔法制作」New!


獲得スキル

「鑑定」「異常状態&自然回復」「魔力操作」「空間収納」New!


称号

「本好きの異世界人」


ほんとに出てきた透明な板、異世界確定。まじかよ。

なんか弱そうなキャラ。序盤で死ぬキャラクターとかにはなりたくない。

でも結構恵まれているほうなのではないでしょうか。空間収納とか良いね、憧れてたよ。

さて「本好きの異世界人」や「ブックポイント」とかは私らしいね。名前的にはまあそういうことなのでしょう。

これはとりあえず置いておく、というか置いておきたい。


「おおこれだけもの勇者が、よくぞ参られた。」


声のしたほうを見るときらびやかな服を纏った老人が進み出てきた。

げっ、この人絶対この世界では偉い人なんだろう。まあ私には関係ないけど。

心の中で開き直る。


「あなたは誰ですか。そもそも私達をここに連れ出して一体何がしたいんですか!」


クラスの中心人物&生徒会長である朝比奈香織あさひなかおりが喋る。さすが生徒会長、この場で話せるのはこの人ぐらいしかいない。


「ここはイリスクラースト王国。そして我がイリスクラースト王国国王アリス・ジオル・イリスクラーストである。我が王国の技術、異世界召喚にてそなた達を呼び寄せたのだ。」


偉い人特有の長話を聞かされた。偉い人ってなんで話が長いんだろう。


要約すると、最近魔王が復活し王国には倒せるものはいない。異世界召喚したものは1人1つずつ特殊能力が与えられる。その力を使い魔王を倒してほしいとのこと。

魔王を倒すまでは元の世界に帰ることはできないらしい。

前にも同じことしたがその時はちゃんと元の世界に帰ったということだった。


怪しすぎる。これでもしこの国王が嘘をついてたとしても魔王を倒すまでは分からないということ。信用はできないね。


「勇者達よ。こちらの水晶に手を置き、その力を見せるがいい。」


続々とクラスメイトが水晶に手を置いている。

私は「プックポイント」という謎の特殊能力だった。ほんとに謎すぎる。


「聖女」「勇者」「聖剣」「精霊魔法騎士」「魔道士」


クラスメイトの職業の高さに驚く。でも私、職業「なし」だったんですけど。

「職業を選択してください。」

急に無機質な声が聞こえて驚き、周りを見ると誰も反応していない。

この声は私にしか聞こえていないみたいだ。


見ると「勇者」や「聖女」などが選べるようになっている。

でも私にそんな職業は向いていないし、するとある職業が目に留まる。

職業「司書」

えっこれ選べるんですかほんとに。よし私の職業は「司書」にする。


職業「司書」の特典として空間収納の中に本が5冊入れられました。


なんと素晴らしい特典、これで異世界でも本が読める。

周りを見ると最後は私だけのようだ。さっと終わらせたいので水晶の前に手を置く。

ステータスを見た国王から落胆した声が聞こえる。

別に良いですよ、私は家を図書館にすることができればなんでも良いんですから。


「これで全ての勇者のステータス確認が終わった。今日はもう遅いので各部屋で寝て明日以降に備えるがよい。」






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