第1話-6

 それから1時間13分後。護衛艦「アサヒ」と潜水艦「ミツルギ」合流。

 護衛艦「アサヒ」にて。

 アサヒの女性艦長、鳥羽が静かな海面を睨みつけていた。ここより数分前、アサヒでは海中を泳ぐ怪獣の姿をソナーでとらえていた。こんなに静かなのに海面下では立った一匹で人類を滅ぼすかもしれない生物が泳いでいると考えると寒気がする。

「鳥羽艦長、ミツルギと合流しました」

「ミツルギと連絡を取れ」

「了解。……ミツルギとの連絡が取れました」

「分かった。こちらアサヒ。聞こえるか、どうぞ」

『聞こえている。どうぞ』

「攻撃開始時刻まであと5分。そちらの攻撃準備はできているか」

『できている』

「よし、こちらも準備ができている。そのままこちらの攻撃の合図を待て」

『了解』

 それから4分経って。

「こちらアサヒ、ミツルギ、聞こえているか」

『聞こえている、どうぞ』

「攻撃開始のカウントダウンを始める。……5,4,3,2,1。攻撃開始」

 護衛艦の甲板が開き、ミサイルが垂直にある程度の高さまで上昇、海面に向きを変え、そのまま海中に撃ち込む。その数2本。海中でも潜水艦から魚雷が2本撃ち込まれているはずだ。

 直後海面が泡立ち、水柱が立つ。数秒、海中がかき乱されグジオンの姿がとらえられなくなる。

「グジオンは?」

「いまだ健在、しかし進行速度が少し落ちています」

「やはり撃滅まではいかないか……。しかし速度は落ちているのか。本部に報告しろ」

「了解」

「ミツルギ、グジオンの姿は捉えているか」

『捉えている』

「よし、これから我々は追撃を開始する」

『了解。攻撃のタイミングはそちらに任せる』

「了解。……5,4,3,2,1」

 また甲板が開きミサイルが発射されていく。

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