第1話-4

「お、来た来た、えーと全長約45メートル。仮の名前は、グジオン。トカゲ型。体温が以上に高い。進路予想、あと3時間で綺夏海岸付近に上陸? 結構ゆっくりだね。データはみんなにも共有しといた。まあ2人とも頑張れ~」

 社長が適当に労って帰っていく。

 今のうちに作戦内容を覚えておかないと。そう思った直後相崎さんが通信を入れてくる。

「聞いたか工藤。今のうちに作戦内容を覚えておけよ」

「は、はいッ!」

 なんだか舌打ちが聞こえた気がするが気のせいだろう。気のせいであってほしい。ああ、おなかが痛くなってきた。僕が何かしたのかな。さっきの会話を思い出す。確か「はい」しか言わなかったはずだ。態度が悪かったのか? 声のトーンか? それとも……。いや考えるのはやめよう。まずは任務に集中しよう。

 えっと、作戦内容はまず上陸前に潜水艦「ミツルギ」並びに護衛艦「アサヒ」から上下挟み撃ちにする形でミサイル、魚雷攻撃で牽制。その間に上陸予定の住民避難を完了させておく。住民避難完了後、特戦機を1機派遣、2機目は待機。特戦機戦闘中、護衛艦「ホマレ」を背後に回らせて必要があれば援護。1機の撃破あるいは装備切れを起こした場合、2機目を派遣。1機と交代。最終防衛線を突破され次第、全員撤退。各軍に通達。殲滅攻撃を行う。

 ここでいう殲滅攻撃とはつまり核攻撃のことである。

 核攻撃が行われると二次被害が長年続いてしまう。僕が何とか撃破しないと。

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