クラス一の美少女と言われている俺(♂)がクラスで二番目の美少女と付き合ったら、何故か義妹が「NTRだ」と迫ってくるんだが
丸焦ししゃも
序章 私のほうが先に好きになったのに!
突然だが私には好きな人がいる!
その人を見ると、心が暖かくなる。
その人を見ていると、心がぽわぽわになる。
その人が悲しい顔をしていると、私まで悲しくなる。
私にとって、その人の言葉は絶対だ。
その人が好きなものは私も好きだし、嫌いなものは私も大っ嫌いだ。
「お兄ちゃん、早く帰ってこないかなぁ」
今日もその想い人を家で待つ。
引きこもりの私にとって、お兄ちゃんは世界の全てだ。
「お兄ちゃん、もう高校生だもんね」
今まで、兄の浮いた話を聞いたことはない。
だがとても心配だ。
だって、お兄ちゃんってとっっっても格好良いし!
巷では色々言われているが、私はお兄ちゃんのことを異性として愛している。
「私もそろそろ学校行かないとなぁ……」
お兄ちゃんに見合う女になるため、家事は全部マスターした。
料理だって得意だし、裁縫やお掃除だってなんだってできる!
でも、肝心の学校生活に行くことはまだできていない……。
「よし! 来週だ! 来週から頑張ろう!」
兄妹の関係といえど、私とお兄ちゃんは同学年。
大好きなお兄ちゃんと同じ学校に通えると思えば、頑張れるかもしれない。
「ただいまー」
あっ、そんなことを考えていたら玄関からお兄ちゃんの声が聞こえてきた。
「おかえりー!」
私は急いで、お兄ちゃんがいる玄関に向かうことにした。
早速、来週から学校に行くことをお兄ちゃんに言おう。
私が頑張っているところをお兄ちゃんに見て欲しい。
そしていつかお兄ちゃんに好きになってもらうんだ!
※※※
「誰……?」
思わず顔をしかめてしまった。
玄関に行くと、お兄ちゃんと一緒に知らない女の人がいた。
「同じクラスの
「う、うん」
「俺、彼女と付き合うことにしたから」
「はい?」
自分でも信じられないくらい嫌な声が出た。
全身から一気に血の気が引いていく。
「
鉄仮面。
そんな印象を真っ先に私に植え付けた。
「はぁ……はぁ……」
息切れがする。
胸が痛い。
目の奥が熱い。
天国から地獄に落とされた気分とはまさにこのことだと思った。
「私のほうが先に好きになったのにぃいい!」
ついそんな言葉が口から漏れてしまった!
初めて、好きな人の“好き”が私の“嫌い”になった瞬間だった。
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