誰がために
月下美花
第1話
君が見てわかると通り、僕はもう長くはないだろう。病室でいろんな管につながれている人間だ、立場上言いにくくてもきっとそう思うだろう。そんな老人の一つの頼みなのだがね、私の昔話を聞いてほしいんだ。遺書にも書けない、もし書いてしまったら跡継ぎもどういった反応をすればいいのか困ってしまうだろう?
僕はね、ただ誰かに覚えていてほしんだよ、このことをね。
何、生まれから話そうってつもりじゃないから長くはならないよ。それに君もそんなに身構えないでいいんだ、今の関係は上司と部下じゃなく、ただの老人とその話を聞く若者だと思ってほしいんだ。フラットな関係だよ。そうじゃないときっとダメなんだよ。いいかな。これから話すのはある一人と僕の話。
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