百合
百合って書くの難しくない?
同性愛を書くにあたって、個人的に肉体の接触を望む描写は必須だと思ってる。それが表面はプラトニックであっても、肉体を求める渇望みたいなのは欲しい。
「肉体を求めないハッピーな同性愛もあります!」という意見もわかるけど、書くならちゃんと書かないと「超絶イケメン実家は資産家東大卒でスポーツ万能、性格非の打ち所なし高等遊民次男がなんの取り柄もない私を溺愛してきます」みたいになるから……いや、これはこれで……高等遊民光源氏俺様×ガチ庶民。何がやりたいんだ?
話を「肉体欲求」に戻すと、これが男同士だと「男同士で触り合うなんて普通じゃないよな……」となっていい感じの葛藤になるけど、女同士だと男同士より簡単に接触出来ちゃうんだよね……だから、ただの仲良しと恋愛の境目がすごく難しい。その微妙な加減をじんわり書くっていうのが多分百合の醍醐味で、エスに振り切るのかガチラブにするのかのさじ加減がなかなか難しい。
ちなみに「ブロマンス」の反対語として「ロマンシス」という言葉があるんですね。マジ使っていこう、ロマンシス。
そういうわけで「ガチのガールズラブ」っていうのをいつか書いてみたい。「そんなに百合を難しく考えるな!」と思われるかもしれないけど、こういうのってやっぱり同性愛を扱うのでそれなりに説得力のある描写にしないと差別に繋がるっていう意識は持っていたいんだよね。
例えばカジュアルに客体をよく知らんで創作表現として消費した結果、「(事後)今日生理来たんだ……赤ちゃん出来ちゃうね……」というエロ漫画で「女は生理が来ると妊娠する」「つまり生理が来た女はエロいこと考えてる!」みたいな学習をする奴が現れないとも限らない。男子が生理中の女子をからかう心理の根底には「男の生理現象=基本エロ必須」から「女の生理現象=もちろんエロいだろ」があるのかもしれない。
いやもちろん「生理中でも妊娠することはある」のはわかるんだけど、それはさっき書いた「高等遊民俺様×庶民」みたいな感じね。妄想としては楽しいし現実に起こるかもしれない話だけど、小説として書くなら説得力が必要だし、都合のいい表現だけ読んで変な影響を受ける人もいるから都合のいい表現は「これはとても都合のいい表現です」というサインを明確に出さないといけない。
だから百合やっぱり難しいのよ。BLも難しい。同性愛は難しい。難しいからこそ、書きたくなるのかもね。
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