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二人を解放させた後。
「……ここから、脱出しないといけないのかぁ」
僕は一人、大広間の中で独り言を漏らしていた。
「どうしたの?何か、問題でもあるのか?」
「……まだ、何かあったりするの?というか、忘れていたけど私たちを拉致したものはどこかしら?まだそれが解決していないわよね?」
「あっ、君たちを攫った誘拐犯は大丈夫」
僕はミュートス第二王女殿下の心配事は心配する必要がないと告げる。
今回の一件の首謀者に関してはたまたま王都にやってきていた世界最強が激闘を繰り広げ、着実に相手を追い詰めてくれている。
二人を攫ったのは下級悪魔たちなので、下手人のことも心配する必要はない。
「あら?そうなの?」
「それじゃあ、何に困っているんだ?後はこのアジトから出るだけだろう?」
「それが問題なんだよ……この大広間の外には大量の下級悪魔がいるから。影法師で見た感じ。大体一万体くらいは超えて居そうなんだよねぇ。一体、どこからこんなに大量の下級悪魔を用意しているのやら」
ここを二人と共に抜けていくのはかなりキツイ。
行きのように姿や気配を隠して、というのもあまり現実的ではないだろう。走り抜けるのすらもきついと思われる。
「「えっ?」」
「ついでに言うと、僕も僕で魔力がきつくて結構戦えない」
そして、僕も本当に魔力がかつかつである。
このままだと諜報網を一度、遮断させる必要までも出てきてしまう。
「「えっ?」」
「いやぁ……これでも僕は国境部の方で大量の魔物と激闘を繰り広げてからこっちに戻ってきての今で。結構大変なのよ」
僕も僕で明らかな戦犯行為があったが、それでも功績を考えればそれもなんとか許されるレベルであると思いたい。それくらいは頑張っていると思うし。
「それで?どうしようか……というか、どうすればよいと思う?」
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええええええええ!!!」」
僕の疑問に対して、二人は驚愕の言葉でもって返すのであった。
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