どうやら僕は家からでたら彼女にXXされてしまうらしい。
さうざん
第1話〜出会い〜
「……まくん」
「……ょうまくん」
「りょうまくん」
「…………ん?」
「!?!?!?!?!?」
自分を呼ぶ声で目を覚ますと目の前に見知らぬ女の人がいた。
年齢は20歳は越えてそうだけど暗くてよく見えない。
「d、どちら様ですか……?」
恐怖と緊張で声が掠れてしまったが、恐る恐る尋ねてみた。
「あ!そうだよね!!りょうまくんは私のこと知らなくて当然だよねっ!」
「私は
「えっ……」
彼女なんて今まで16年生きてきてできたことがない。
しかもこんな可愛い人が彼女なわけがない。
これは夢だ。昨日ゲームのしすぎで頭がおかしくなっているに違いない。
そう思って体の向きを仰向けから横に移動させようとした時、
「ガシャン」
何か金属音がした。そして体制も仰向けのままになっていた。
「あれ……?」
金属音の方を見てみると何か手錠みたいなものが付けられていた。
足を動かそうとしても動かない。どうやら足枷も付けられているようだ。
夢にしては感触もリアルだ。
「あの……これって……」
「あ〜それ!?」
「付けちゃった!!」
「つ、付けちゃった……!?」
もう意味がわからなかった。
非日常すぎる出来事が立て続けに起こり、逆に冷静になってきた。
「……とりあえず、痛いので外してもらってもいいですか?」
「え〜だめだよ〜!」
「だってとったらりょうまくんどこか行っちゃうじゃん!」
「じゃあどこにも行かないので外してください。痛いです。」
「本当に???口だけかもしれないじゃんっ!」
「あー、そしたら僕が外に出たら殺してもらっても構わないのでそれでいいですか?」
どうせ夢だからとりあえずそれっぽいことを言って早くこの悪夢から目覚めよう。
だが、この発言をしたことを後になって後悔するなんてこの時は思ってもいなかった。
「えっ!?…………わかった!」
「殺しちゃうのはちょっと悲しいけど……」
そう言いながら彼女は僕の拘束を解いてくれた。
「…………よし」
安堵感と共にこの数分間の疲れが押し寄せてきて僕は眠りについた。
――――――――――――――――――――─
何か美味しそうな匂いとフライパンとコンロが擦れてそうな音で目が覚めた。
隣の人が朝食を作っているんだろうか?そう思いながら音のする方を向いてみたら……
「あっ!起きたんだ!おはよ〜!!朝ご飯もうすぐできるから待っててね!!」
夢の中にいたであろう女の人がキッチンに立っていた。
「……うそ……だろ……」
どうやら悪夢からは覚めていなかったようだ。
ここ、僕の家だよな??
とりあえず外に行って助けを呼ぼう。大家さんなら助けてくれるはずだ。
そう思い、玄関の方へ走っていき、ドアを開けようとした時、
「りょうまくん昨夜言ったこと覚えてるよね!?!?」
そう言う彼女の手には包丁が握られていた。
――その瞬間僕は夢で言ったことを
思い出した。
「「あー、そしたら僕が外に出たら殺してもらっても構わないのでそれでいいですか?」」
なぜあんなことを言ってしまったんだ……。
慌てて開きかけたドアを閉めて彼女の方へ戻った。
「よかった〜!やっと話せたのにもう殺さなきゃいけなくなるかと思っちゃった!!」
そう笑顔で話す彼女の瞳だけは笑っていなかった。
とりあえず、話をしたらここから出て行ってくれるかもしれない。
ひょっとしたら、どこかで会ったかもしれない。そう思い、彼女に質問をしてみた。
「あ、あのー、僕たち前どこかで会いましたっけ?」
「え〜!?覚えてないの??去年のクリスマスに会ったじゃん!」
「……え?」
そう言われると同時に去年のクリスマスのことを思い出してしまった…………。
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