第7話 出会いと記憶(5)
僕は、奏を襲った奴らに一直線に走り出した。そして、奏の前に立ち今すぐやめるように言った。
「もう、やめろよ」
「誰だよ、チビは黙ってろ」
僕は背後に気を付けながら奏の紐を解いた。
「かっけー、奏に惚れているじゃね」
そして、僕は奏に言った。
「俺が時間を稼ぐから逃げな」
「生駒君、大丈夫なの?怪我しないでね」
奏は心配そうに言った。相手は3人、しかも相手は言葉で解決出来るとは思えない。
「はは、俺なら大丈夫だ。決して振り返るなよ」
そうは言ったものの、もしも喧嘩になってしまったら無傷で済むわけがない。
「今すぐ、やめて奏から離れるんだ」
「おチビに指図されたくないね」と言った。「奏、今だ」僕は奏の背中を叩いた。奏は約束通り後ろを振り向かず逃げて行った。
「あ、手が滑った」振り向いたら拳がとんできた。避けた。流石に1人なら余裕で大丈夫だ。蹴りを僕は腹にめがげけていれた。水落に入り殴りかかってきた奴は腹を抑えて倒れた。
「まだ、やる?お二人さん?」
僕は、言ったが奴らに言っても無駄だった。殴りかかってきた拳を僕は手で流した。その時、僕は人の気配を後ろに感じて振り返った。3人目がパイプで殴りかかってきたのだ。僕は防ぐ事が出来なかった。僕は気を失い倒れてしまった。
「生駒君、起きて!大丈夫?」
あれ?誰かがいる。僕は意識を朦朧としていたが目を覚ました。
「奏?この事誰にも言わないでくれよ」
奏は頷いた。
「大丈夫?怪我してない?」僕は聞いた。
「良かった」僕は痛みをこらえて起き上がった。
「怪我しなくて良かった。じゃあね」と僕は別れた。
本当は暴力は嫌だったが奏の顔と真奈の顔が重なった。でも、助けた結果がこれだ。痛みがジワジワやって来て次の日、僕は学校を欠席した。
メンバー顔合わせはあと3日に近ずいてきた。
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