#1-3

それでも気づかないバカな私は「なんでこんな呼び方するの!!もうやめて!」といった。

そしたらその子は「やめないよ」とその時はそれだけを言った。


とある日の体育の時間、バレーボールだったんだけど言い争いという名のタイマンになった。ネット越しに砂かけババアだゴキブリだ言い合う。


嫌!嫌!ゴキブリなんて嫌!やめて!やめて!もうやめて!と叫び散らかした。

するとその子は結構冷静に「なにが嫌なの?ゴキブリでいいじゃん」という

嫌だよ、最悪じゃん。気持ち悪くて無理。そんな呼ばれ方嫌!!砂かけババアこそなにが嫌なの?!」いうとそれには答えてくれず、「ゴキブリ」と連呼してきた。

いわば精神攻撃。

連呼し続けて私が泣き叫んだため、そこでタイマン終了。


泣き叫んだというかパニックというか....。


その泣いたときに駆け付けてくれたのは、キャロラインと名付けた子。

「風悠?大丈夫? 風悠がゴキブリといわれて嫌だったように、あの子も砂かけババアといわれて嫌だったんだよ?わかる?」

うん。とうなづく私

「落ち着いたら謝っておいで、仲直りだよ」といわれ、自分でも悪いことを理解し納得していたので謝りにいった。


砂かけババアといってしまった子からも謝罪がきて双方仲直りができた。


キャロラインちゃんが天使だったおかげでわだかまりなく終われた。

キャロラインちゃんには感謝しかない。


まぁお互いに謝罪したとはいえ気まずくはなったけど‥‥。

私が。


ことの発端はもちろん私があだ名をつけたことだが、当時ニックネーム的なのがささやかに流行ってたのが私の中でのきっかけ。


あくまでも仲良い人同士のささやかなブーム。

それに気づかない私は、ささやかなブームも”あぁ、これが流行ってるんだ„と思い込みその流行りに乗っかった。


その結果がこれだ。


私がつけたあだ名とささやかに流行ってたニックネームの“違い„がわからずもめにもめた。

一緒じゃん!何が違うの!?と思っていた。

仲良くしたいだけなのに、なんでわからないの?!私と周り同じなんだから別によくない?とさえ思っていたし暴走してた。


しかし、私がつけたあだ名と周りがつけてたニックネームには決定的な違いがあった。

それを教えてくれたのもキャロラインちゃんだ。


「風悠あのね、風悠がつけてくれたあだ名は嬉しいよ。でもね、〇〇に砂かけババアってつけたでしょ?嫌味とかにしかとられないんだよ。風悠がそんなつもりなくてもね」と泣き散らかしたときにそういってくれた。


そう、私は自分が身をもって体験しないとわからない子だった。

散々「自分がされて嫌なことはしないよ」と教わってきたのに‥。

自分にされなきゃわからなかった。この頃までは。


そんな大変お世話になったキャロラインちゃんは今、看護師をしている。







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