第363話
〜〜 しばらくして 〜〜
「_(┐「ε:)_〈ハリキリスギタ」
「一二三、無事か!?」
「_(┐「ε:)_〈カナエ、ハヤクジロウケイラーメンプリーズ」
「…意外と余裕があるな一二三」
「_(┐「ε:)_〈ショウジキ、ノウリョクツカイスギタダケダカラネ。ニカイメダシ」
あの後かなりの大立ち回りをしていら叶達が合流し、そのまま3人で共闘を開始。そしてなんとかもち丸が帰ってきたので叶達と一緒に中央にいる夏美達に向かって移動した。その際に桜達にも連絡をとり先に帰還すると伝えてから中央に向かう。そして中央の帰還用ポータルに帰ってきた途端に目に入ったのはうつ伏せの状態で気だるげにしている一二三とタブレット端末を操作して情報を整理している夏美とその後ろで夏美のソファになりながら周囲を警戒していたコク糖だった。もち丸はそんなコク糖を心配して近くに行き、叶もまた倒れている一二三に近づいて安否を確認している。
「一二三、今コメントを整理していたら『暴食』の強化能力は30分以上連続で使うとそうなるってコメントが多数来ているみたいだよ?」
「_(┐「ε:)_〈マジカ!」
「マジ、コレから使用する際は気をつけないとダメみたいだね」
「_(┐「ε:)_〈…モラッタウォッチニタイマーキノウッテアル?」
「あるよ…と言うか本当に大丈夫?」
「_(┐「ε:)_〈…ジョウジキ、カナリツライッス」
そう夏美と会話する一二三だがあの体勢から動かないのを見るにまだ体の痛みが治っていないのだろう。叶も合流してから一二三の近くでオロオロしっぱなし…あ、一二三が叶に膝枕を頼んでそれを了承した。
「…取り敢えず一二三のカロリー補充の為に一回拠点を展開するか」
叶の膝枕に「( ̄▽ ̄)」みたいな表情を浮かべて満足そうな雰囲気をだしている一二三を見て、俺は取り敢えず拠点を展開した。すると少し前に一二三にくっ付いていたコク糖の弟である銀色の体毛の友狐がカロリーバー一箱とカロリー飲料を持って出てきた。そしてそのまま一目散に一二三に近づくと一二三の真横に陣取る。
「お姉ちゃん、持ってきた。食べれる?」
「…ごめん、食べさせて」
「うん、あーん」
「( ̄▽ ̄)〈アーン」
そう一二三と話す友狐は叶と協力して一二三にカロリーを与え始める。それを横目で見ていた姉であるコク糖は呆れた顔をしつつもすぐに周りの警戒をし始める。
「いや、俺は許可していないのに何であの子が出てきたんだ?」
《それは俺が許可したからだぜ》
しかし、俺はふと気になった事ができた。確か俺の拠点は姉さんの拠点とは違い出入りする際は許可しないと拠点を出入りできない仕様だったはずだ、なのにあの子は俺の許可なく拠点の外に出れた。何故拠点の出入り口から出れたのか気になったが、ふとあり得ない声が俺の真横から聞こえてきたので俺はそちらを振り向く。
「ほ、焔!?お前拠点の外に出れたのか!?」
《お前さんの成長とお前さんともち丸達、望月と叶の縁が更に強くなったから力が増してな…つい最近になってようやく出れたんだ。だが拠点の出入り口から1キロ圏内のみ、戦闘行為不可で名持ちの友狐が1匹でも外に出て出入り口の1キロ圏内にいる場合限定でって制約付きだがな》
そこにいたのは本来拠点から出れる筈のない存在である友狐の神様、焔がいた。
俺は正直にびっくりして焔に何故いるのか聞くと、どうやら俺の成長とかが原因で出れる様になったらしく、その話をしている最中でも真剣な表情をしつつ視線は何故かコク糖から離さなかった。そしてゆっくりとこちらに顔を向ける。
《まどろっこしいことは嫌いだから単刀直入に要件をいうぜ?
すまないが今直ぐにもち丸とコク糖を拠点に戻してくれ。大事急でだ》
その後、焔がそう言い始めたので何故か聞こうとしたが焔の真剣な顔と圧に押されて声が出なくなる。
《…実は、あるバカ達が『コク糖の背中を押す』どころか『コク糖の背中にドロップキックをかましてもち丸にぶつける』様なとんでもないバカをやらかしやがったんだ…状況整理とケジメをつける為にも本人達に大事急戻ってきて欲しいんだよ。後、すまんがケジメをつける必要があるから今日は名付けはできない。明日の朝一にやらせてもらう…それで、大丈夫か?》
「…そこまでやばい事件なんですか?」
《ああ、ヤベェ。下手したらもち丸とコク糖に一生消えない心の傷を刻み込むレベルのやらかしだ…クソ、いくら忙しい日々だったとはいえ何でもっと早く気づけてやれなかったんだ、俺はよ…》
俺が真剣な表情の焔とそう話すと焔は今度は暗い顔をしながら俯く。その様子から今もち丸とコク糖にヤバい事が起きているのを俺は理解したので焔の要件を了承した。焔もそれを聞いて 《…すまねぇ、必ず埋め合わせはする》 と言ってコク糖ともち丸の近くにいき、何回か話し合うと一緒に拠点に戻って行った…その瞬間、
「…よし、大体の情報でここまで絞れた!」
タブレット端末をいじっていた夏美が大声でそう叫び、スマートウォッチで夏美達に連絡をとり始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます