青の願い

猛木

第1話 絶望と復讐

 生命と、魔法が宿る小さな島国デバガルタでは穢れのない海で皆は毎日平和を楽しみ、この生活を永遠におくれると思っていた。


しかし、この平和は長続きすることはなかった。


 突如現れた多数の爆撃機により、家は崩れ人は死に、山は燃え、美しかった海は今では死の海と化した。


 そのような惨状に置かれた生き残りの国民達は絶望に打ちひしがれて何も出来ずにいた。だが、そんな絶望の中で1人の男が敵を知り、敵に復讐するべく立ち上がる男がいた。


 その男の名は青鯱(アオシャチ)、彼は愛用している銛と、思い出がつまった兜を持って小舟で出航する。


「絶対に、この責任を取らせてやる」


 そして、彼は小船で国境を越える際に自国の惨状を振り返り、母国を滅茶苦茶にしていった敵国への憎悪を燃やした。


「ダ・ハルガント…」


 彼は、爆撃された際に爆撃機にペイントされている敵国旗を見ていたため、敵国を知っている。そして、その敵国‘‘ダ・ハルガント‘‘がかなりの兵力を持った大国ということも、青鯱は知っている。


しかし、青鯱はすでにこの瞬間から復讐することを心に深く刻んでおり、もはや敵が誰かというのは問題にすらならなかった。


 *********

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る