第五章登場人物、用語解説 ※読み返し用、飛ばしても問題ありません

〈登場人物〉


にのまえ前灯さきと:明胤学園初等部主任:ペタリと整えられたマッシュルームヘア、皺の無いシャツやスラックス、度の強い眼鏡と、神経質そうな印象を与える男。編入に賛成し、illイリーガル騒動の際にはいち早く救助に動くなど、複数回に亘って進の助けとなる。


パラスケヴィ・エカト:初等部6年。赤髪ツインテールで生意気盛りな童女。明胤学園生徒会総長。生徒会の権限の化身であり、単体なら明胤学園在校生の中でも最強。あだ名はプロトだが、進がそう呼ぶ事に関しては一切許していない。進を目の敵にしているようにも見えるが…?


天王寺てんのうじひろし:漏魔症罹患者の権利確立の為に活動する、漏魔症罹患者。全国、或いは全世界の漏魔症の希望。日焼けした壮年。腰が低いが積極的。新プロジェクトの広告塔にするべく、進を勧誘する。


桑方くわかた:『次世代娯楽育成事務所“UWAユーワ”』代表。真っ直ぐな目を持つ青年実業家。漏魔症罹患者のみで構成されたエンタメ事務所を提案し、天王寺と二人で実現に奔走する。


杉嵜すぎざき亮二りょうじ:とある暴力団の下部構成員、指名手配中。擬態魔法を使う。職質されて警官から逃げ、子どもを人質にダンジョンに立て籠もった。ダンジョン内に人質を置き去りにし、その隠し場所の情報を武器に交渉を試みるつもりだったのだが、攫ったのが世間的に見捨てられがちな漏魔症罹患者だった事で計算が狂ったらしく、拘束後は大人しく連行された。


仨々木ささき佑人ゆうと:漏魔症罹患者の男児。不幸にも逃走犯の人質として連れ去られ、ダンジョンの奥底に放置される。助けに来た進やその友人達をヒーローだと思っており、その姿を強く胸に焼き付けただろう。


ししのりこうすけ:警視庁捜査第一課第十強行犯捜査潜行関連犯捜査第1係の刑事。エラの張った四角い強面こわもて三白眼の中年。事なかれ主義で物臭な気質、シニカルでリアリストな面はあるが、根の部分では市民の平穏を愛する公僕。




日魅在かみざまもる:進の兄であり、永遠の目標。NPO法人“ドント・シュリンク・アローン”に参加していた。強く、優しく、そして誰よりも自分本位な男。最期は弟を守る為にフラッグを食い止め、そのさなかで命を落としたと言われている。一般の高等専門学校に通学しながら、成人前にランク5到達を成し遂げた努力家。




〈用語〉


明胤学園生徒会:副総長以下生徒会メンバーという事務方に、学園内を切り盛りする力を与える為、総長の座には学園最強の戦闘能力を持つ者が就く。逆らったら最強が黙っていない、という事である。


壌弌つちい潜窟せんくつ:丹本御三家の一つ、壌弌グループの傘下企業。ダンジョン管理事業を主とする。ダンジョン立て籠もり騒動において、ある意味一番救いの無い被害者。


社会的な男女差:ダンジョンが現れて以降、男女の身体能力差は簡単に埋められる誤差の範囲であるとされている。一方で、男性は社会的地位が、女性は家庭的地位が高いという構図が、近代まで強固に維持されていたのもまた事実である。女性参政権は殆どの場合、国家総力戦となり女性も工場で働かなくてはならなかった、世界大戦の勃発を待たなければならない。


奇械転ギアーズ・オブ・ティアーズ:中級ダンジョン。歯車で動きレールを伝うモンスター、“ギア”が出現する。「路線を外れず墓まで乗り継げ」、レールの上に乗っている間は、速く、硬くなる。広く複雑な製造工場のような内装。


永級10号窟災:2053年10月10日に発生した、世界で10例目の永級ダンジョン出現事案。当時は防衛隊や潜行課の救助隊だけでなく、民間の潜行者も避難民の護衛などに協力した。進も実際に、それに参加した内の一人を見ている。

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