第四章登場人物、用語解説 ※読み返し用、飛ばしても問題ありません

〈登場人物〉


ことふみ呬迹ちあと:中等部3年。「研究者枠」として明胤学園に招かれた天才の一人。ディーパーではあるが戦闘員志望ではない。四角い銀縁眼鏡を掛け、小さく巻かれてまとめられた髪を、沢山頭に載せている。一度熱中し出すと止まらないタイプ。


にんせい良観よしみ:殊文の助手。高等部2年。顔の右側へとパーマの掛かった長い前髪のアマイマスク。飄々とした性格。


ジュリー・ド・トロワ:特別指導クラスのクラスメイト。自信家で気難しそうな銀髪美人。本人曰くNナイトが適任。竜胆色の奇跡を刻み、二撃目を強化する魔法を操る。ニークトから特に要注意人物として名指しされ憤慨。決闘に勝利した。


六本木ろっぽんぎ:特別指導クラスのクラスメイト。わけあって下の名前は秘密。金髪左サイドテール(Not地毛)に、化粧っけの強い褐色肌のギャル。本人曰くPポーンが適任。


しゅろう六実むつみ:特別指導クラスのクラスメイト。毛先にカールが掛かった短めの黒髪、萌え袖パーカー着用。常に眠たげなダウナーギャル。本人曰くBビショップが適任。


星宿ほしやどりみつ:明胤学園の教師。進の担任にして、シャンの世話係、という名の監視役であり、結構な苦労人。進が仲間意識を持つレベルに小柄で、私服だと未成年と間違われる事がある。




火鬼ローズ:進の前に現れた、明確な知性を持つモンスター。人間に化ける事までしていた。illイリーガルモンスターに独自の組織、社会、ネットワークがある可能性が浮上したが、詳細は依然として不明。




〈用語〉


神宿しんじゅく:丁都で最も人口密度が高いとされる都市、或いはターミナル駅の名前。ここに行けば大抵の物が買えるとされる一方、駅構内や周辺の道が複雑過ぎて迷路扱いされる事も。


アヅマダイブ:比較的新興の巨大持ち株会社、アヅマホールディングス傘下の一社。潜行関連商品専門店。値段の割に良い物を売っているとして、現役ディーパーからの人気が根強い。


甲都こうと府:丹本の西部に存在する地名。かつては首都だった場所であり、長い歴史があるとされる。首都機能が分散された四都の内の一箇所。“御怨恩オン・ノン・アイオン”と呼ばれる深級ダンジョンが存在し、毎年10月には明胤学園の遠征先となっている。


ギャンバー:フルメンバー6人同士で行われる模擬戦。毎年1月に丹本国内で全国大会が行われ、勝者は2月の世界大会に進出出来る。


校内大会:7月中旬開催。“ギャンバー”ルールに則り、全選択教室で行われるトーナメント戦。基本は高等部の行事だが、中等部からスカウトする事も可能。


ロール/ポジション:潜行する際、パーティーメンバーそれぞれに割り振られる大まかな役割。


ポーン:ロールの一つ。斥候、攪乱、荷物持ち等の雑務、雑用を熟す役。


Rルーク:ロールの一つ。最前で敵の攻撃を引き付ける、重要な人員の盾となるといった、ヘイト管理要員。防御力だけでなく、敵に無視されない程度の攻撃力やうざったさも必要となる。


ナイト:ロールの一つ。最前でパーティーの主要攻撃力として活躍する役。一般的に、パーティー全体の進行速度を速めたいなら、このポジションを強化するべきと言われる。


ビショップ:ロールの一つ。遠距離攻撃、サポート要員。主に後衛だが、前衛や遊撃として運用するケースもある。


Qクイーン:ロールの一つ。中衛にして万能型。全体を見て足りない場所を補う、チャンスになりそうな場所に戦力を重点する、といった形で柔軟に動く。


Kキング:ロールの一つ。隊長。このポジションが言う事には、基本的に絶対に従うこと。余程大規模なパーティーでない限り、一人しか選ばれない。


特別指導クラス:明胤学園高等部から始まる選択授業制度の中で、落ちこぼれや問題児が押し込まれる教室、だったのだが、今年は問題児を引き受けるのと引き換えに、シャンの希望する生徒も集められた教室となった。誰がどちらに該当するのかについては、明かされる事は無い。


九狐旧亙倶苦窮涸キューティクル・クレプスキュール:詠訵が行使する魔法。触れたものと融合し、「作り替える」「良くない物を拒絶し追い出す」、といった効果を持つリボンを、簡易詠唱時には4本、完全詠唱時には9本、臀部から尻尾のように生やす。攻撃・防御・治癒・解呪と、万能そのものな能力。


大乗道般若徳信天マン・ジャン・パル:「特定上級治癒魔法」の認定を受ける、殊文の魔法。未知の疾患にはほぼ無力な代わりに、メカニズムさえ分かっていれば、完全詠唱によって「ダンジョンの呪い」も完全解呪できる。


呪い:広義には魔学的作用が相手に与える悪影響全般。つまり魔法による毒や行動阻害、身体能力低下等のこと。狭義にはダンジョンが与える、ダンジョンから出たとしても効力を消失しない異常の事。後者は治療困難な身体欠損等などに発展し、「特定上級治癒魔法」とされる能力でないと癒せない為、潜行者の引退原因になる事もままある。


梳削墓トゥスコーム・カタコーム:浅級ダンジョン。人骨で形成され弱点部位を破壊されないと完全討伐とならないモンスター、“スケルトン”が出現する。「皮も血肉も不要と知る」、鎧などの防具を含み、骨を除く部位の肉体強度が著しく下げられる。地下墓地のような内装。


illイリーガルモンスター:新たな性質、新たなローカルを与えられたモンスターの総称。映像に残る事は滅多になく、記録も大抵が目撃証言のみである。進の前に現れた“火鬼ローズ”のように、別のモンスターに憑依するのでなく独自の実体を持つ者は、公的な記録上では確認できない。


火鬼ローズillイリーガルモンスターの一種。「急いてはことごとく焼き損じる」、急速な行動を取った際の摩擦や空力くうりょく加熱が増幅され、些細な行動で発火してしまう。憑依対象に高い耐火性を与える事も知られている。


辺獄現界アマゾニン・ダンジョン:“火鬼ローズ”が使用した秘術。その場にダンジョンを呼び出し、或いは生み出して、特定の対象をその中に引きずり込む。通常のダンジョンと同じく外界とは隔絶され、ラポルトを通らなければ出られないと推定される。


紅洛炎フリクション・フィクション:“火鬼ローズ”が出現させたダンジョン。とある植物を元にしたモンスターが確認されている。「急いてはことごとく焼き損じる」。大規模な山火事の跡のような内装。


焔は灰撒き葉上に舞いカット・カカット・カラ・カット:“火鬼ローズ”が使用する魔法。10区切りを持つ異常な詠唱で成立し、火のを操るとされる。単に炎の波で攻撃するだけでなく、雷を呼び出す、更には小規模な太陽を発生させる事も可能と、極めて強大だが如何せん相手が悪かった。

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