結果発表ぉー!!
ゆるりクラフト生活には敵キャラが出現する。出現条件は明るさが一定以下である事なのだが、なぎなみ動画運営としてはどれくらいの明るさである、という具体的な数値は発表していない。
『
『了解!』
『分かりましたわ!』
『
『りょー』
『分かりました!』
『
『分かりましたです』
『で、葉月ちゃんが塔を建てるって事ね』
『そういう事。玲夢達はある程度木が集まったら松明量産して配置してって』
『了解!』
『副社長、塔の見た目は別に考えなくて良いんだよな?
高けりゃ勝ちって事で良き?』
≪世界の声:高けりゃ勝ち! 見た目にこだわってたら三十分では済まないからね≫
≪あーあ、はーちゃん副社長って言っちゃったw≫
≪世界の声さんも答えちゃったw≫
≪ゆるいなぁwww≫
≪世界の声:でも飛んだ真下に一ブロックずつ積んだだけのは反則ね。最低でも四×四ブロックより広い塔にして下さい≫
≪そんな事出来るんだ≫
≪そりゃ降りられないとダメよね≫
≪ゆるクラはある程度の高さから落下すると死んじゃうからねぇ≫
『くそっ、向こうはもう連携を取って作業を開始しているぞ!
我が塔を建てるからお前ら材料を取ってくるのだっ!』
『えー、
オレの方が指揮官に相応しいんだぜ!』
『かんちゃんでもきーちゃんでもどっちでも良いから指示してほしいんだよ』
『
『
『やれやれ……』
≪ごちゃごちゃ言ってるけど誰が誰か未だに分からんw≫
≪今は雰囲気を楽しむだけで良いんじゃないかなw≫
≪そういう事にしておこうかw≫
≪高い塔を建てた方は何か景品でもあるんだろうか≫
≪勝負する以上は何かしらないと盛り上がらんよねぇ≫
≪世界の声:勝ったチームには……、どうしよっか≫
≪考えてないんかーいw≫
≪皆何が欲しいんだろう≫
≪ケーキとか甘い系のおやつ?≫
『わ、我は「月明かりの使者」のライブを生で見たいのだっ!』
『え、そんなのあり!? じゃあオレも!!』
『ボクも!!』
『私も!!』
『しぃちゃんも!!』
『やれやれ、みんながそう言うなら私もそうしよう』
≪これはかなり良い景品だね≫
≪負けられない戦いが、ここにある!≫
≪生で見れる人なんていないもんねぇ≫
『勝てばライブを生で見れるのなら絶対に勝つのです!』
『これは譲れないねぇ』
『ワタクシも見たいですわ!!』
≪あっれれー、おっかしいぞー???≫
≪何でれーちゃんむっちゃんはーちゃんは黙ってんのかな???≫
≪そう言えば何の反応もしないねぇー???≫
『えーっと、塔の広さは最低限の四×四ブロックでいこう』
『となると内部は二×二の広さしかないけど大丈夫?』
『あ、そっかー。ハシゴを作れば……』
『バッ!? 言ったら相手に伝わるだろうが!!』
『……階段状じゃなくても良いみたいだな、誰か我にハシゴの作り方を教えるのだっ!』
『しぃちゃんは全く分かんないんだよ』
『ボクもはしごどころかスコップやツルハシすら作り方知らないのだよ』
『このままでは我らは負けてしまうのだ……』
≪世界の声:社内で協議した結果、勝ったチームには次回の「月明かりの使者」のライブを生かつ最前列で鑑賞出来る権利を差し上げます≫
≪世界の声が社内で協議w≫
≪そもそも社内で協議すらしてない説≫
≪いいなぁー≫
≪世界の声:あと、明らかに
≪お、了解です!≫
≪まずは作業台からかな?≫
≪弥生ちゃん、ちょっとコメント見れますか?≫
『ボ、ボクかい!? 見るから教えてほしいのだよ!!』
VividColors VS BrilliantYearsの対決が始まって二十五分。それぞれの塔が高く積み上げられている。
『だいぶ暗くなって来たな』
VividColors側の塔を建てている葉月は抜かりなく、塔の側面にも松明を配置して思わぬ場所から敵が沸かないよう気を付けている。
BrilliantYears側の塔を建てていた神無月は、当初葉月の松明の配置の意味が分からなかったものの、視聴者がコメントで教えていた為に同じように松明を配置している。
≪やっぱはーちゃんの方が高いね≫
≪かんちゃんも良くやってる方じゃね?≫
≪こういう楽しみ方も出来るんだなぁ≫
『あー、何か洞窟にぶち当たったんだけどー』
そろそろ終わりか、という時間帯に、睦月が崩していた山に穴が出現し、地下へと続く洞窟が姿を現した。
『……何か嫌な予感。睦月、穴塞いで』
『えー、分かったー』
睦月が地下の様子を確認しようと洞窟を降りていたが、葉月の指示を受けて地上へと戻る。
すると睦月の目の前に何かが現れた。
『え……、
≪
≪それにしては手足が細長くない?≫
≪もしかして敵キャラ?≫
『うわ、いっぱい出て来た!!』
『葉月ちゃん、敵っぽいのが塔に向かって行ったよ!』
『早く洞窟を塞げってば!!』
≪世界の声:それは暗黒面に堕ちた並行世界の安藤シリーズ、通称アンドーマンです。敵キャラですが攻撃しない限り危険はありません≫
『それはオレが殴る前に言ってほしかったんだぜ!!』
『ギャー! ボク何もしてないよー!!』
『しぃちゃんは殴らないで! 悪いのはきーちゃんなんだよ!!』
≪めっちゃ攻撃されとる≫
≪あれ? 攻撃を止めて塔に向かってった≫
≪ブロックを剥いでる……???≫
『何であたしが建てた方の塔からだけブロック取ってくんだ!?』
『あー、これは副社長やってるねー』
『……なるほど、そういう事か』
アンドーマン達がVividColors側の塔の上からブロックを盗んで、パッと消えていく。
≪世界の声:制限時間の三十分が経過しました。どちらの塔が高いか、お互いに確認して下さい≫
『こんなの八百長だろ……』
『いいじゃん、はーちゃん』
『そうそう、負けたからって罰則がある訳じゃないんだし』
『うぅ、ライブ見たかったです……』
『水無月ちゃん、次こそ勝とうね』
『次は絶対に負けませんわ……!!』
≪何という事でしょう(棒)≫
≪わー、BrilliantYearsの塔の方が一ブロック分高いよー(棒)≫
≪接戦だったねー(棒)≫
『我らの勝利なのだっ!』
『最後はどうなるかと思ったけど、何とかなって良かったぜ』
『ボク達月明かりの使者のライブ見れるんだね!?』
『私が力を合わせればこんなもんなのよ』
『しぃちゃんも頑張ったんだよ!』
『やれやれ、良かった良かった』
≪世界の声:と言う事で、チキチキ! 第一回VividColors VS BrilliantYears対抗戦は、BrilliantYearsの、しょーりぃー!!≫
≪わーーー≫ ≪わーーー≫
≪わーーーwww≫ ≪わーーーw≫
≪やんややんやw≫ ≪だからチキチキって何なのさw≫
★★★ ★★★ ★★★
ここまでお読み頂きありがとうございます。
第9回カクヨムコンの中間選考を突破しました。
皆様のお陰です、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。
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