宇宙飛んじゃったらしい。

すく

第1話

あけまして、おめでとーー!!


そういって僕らは年明けの瞬間を空中で過ごした。



だが地に足をついた時には僕らが知っている景色ではなかった





「なあなあ、日付変わるときジャンプしようぜ!年越しの瞬間地球にいなかった的なやつ!」


少年のようなきらきらした目でそう言ってきた悠弥は、保育所からの幼馴染だ。


中学2年生にもなって、まるではじめてカブトムシを見たかのような初々しい表情を向けてくる。


悠弥の提案に僕は基本乗っている。


断る理由がないのもそうだが僕をまっすぐみつめる澄んだ眼からはどうも逃げられない。



僕たちは毎年近所の神社に集まって年を越している。


今年も当然その場所だ。


小さいころからよく2人で遊んでいた場所。


春はゲーム機を片手に小さな木の下でお花見をした


夏は虫取りに夢中になり、神社がこんがりした木に囲まれると石段で昼寝をした。


そんな思い出の場所で今年も年を越せることが嬉しかった。


悠弥はいつも隣にいてくれる。


それも僕が家に居づらいのを知ってのことだ。


とても優しい親友。そんな悠弥の提案だったから、こうなったことにも悠弥を責める気なんてない。




あけまして、おめでとーー!!





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