外国人に恋した

なゆお

2年生『春』

転校生と変わる日々

春。

それは、出会いと別れの季節。

俺は、そんな出会いと別れに一喜一憂して雑音のように喋っているクラスメイトを横目に見ながら、ただ1人、

座っていた。



「一志君、何してるの?」


「あぁ、海。暇してたんだ」


「はぁ、一志君、もう高校2年生なんだよ。私の他に友達作りなよ」


「別にいいよ。友達なんか1人や2人いれば」


「はぁ、私がもしいなくなっても、寂しくならないでよ」


「大丈夫。1人は慣れてるんだ」


「慣れたらダメなやつじゃん…」



そんな会話をして、海はそうじゃなかった。と言い、本題に入った。



「転校生が来るらしいよ。それも、うちのクラスに」


「そうか」


「何?その反応」


「いや、興味無いから」


「まぁ、そうだよね…」


と、そこに先生が来た。



「ほら、皆座れー」


そう言うとクラスは雑音を立てながら自分の席に座っていた。


「どんな人かなー」


と、海が横で呟いていた。

こいつ、隣の席だったのか…。

うるさくなりそうだ。


「えー、今日から皆の担任の気長 結衣だ」


この口調だが、一応女だ。30代の。


「先生は、彼氏とかいますかー?」


とクラスの女子が聞いた。

初めましての人なのに良く喋れるな…。


「今後、先生にそういう質問したら宿題増やすからな」


あっ、非リアか。それとも酷い別れ方した元リアか。

俺は先生がこの態度で性格なので前者だと思う。


「一志、お前変な事考えてないか?」

と先生が何故がそう聞いてきた。


「いえ、何も」


「本当か?」


「はい」



そう返事をすると、ゆっくり息を吐いて言った。


「次はないぞ」


「…はい」


超能力者か?それにしても、この人怖いな。


「あと、転校生が来たぞ。喜べ男子諸君。美少女だぞ」


そこで陽キャ共は、しゃァァァァァ!

と雄叫びを上げた。

耳を塞いでおいて正解だった。


「入ってきていいぞー」


と先生が言うと入ってきたのは、

綺麗な金髪、

高い鼻、

綺麗な顔立ちの

まさに美少女だった。

さっきまでうるさかった男子は、あまりの美しさに黙ってしまっていた。


「どうも、今日から皆さんと一緒に過ごしていきます。フローム・ローズです。よろしくお願いします」


沈黙の後、誰かの拍手で現実に戻り、それに加わり拍手が大きくなる。

雑音はうるさいほどにまでになっていった。

先生が止め。

と言っても雑音は鳴り止まなかった。

だが美少女が、


「すみませんちょっといいですか?」


と言うと雑音は一瞬にして止み、

それに遅れてしまい、手を叩いた奴に殺意の目が向かう。


「はぁ、お前ら、欲望に忠実過ぎるだろ…」

と先生が呆れていた。


「どうぞ、話をしてください」


「あぁ、ローズの席は一志の左隣だな」


「分かりました」


とこっちへと向かってくる。

全員、さっきまで他の奴にいっていた殺意が俺に向く。

隣に座り、


「よろしくお願いします」


と言った。

それに全員が

あぁ、自分。このクラスで良かったな。という顔をしていた。


─ただ1人、俺を抜いて。


「…。なんでそんな嫌そうな顔をしているんですか」


と隣の奴が言ってきた。


「…」


俺は無視した。

どうせ、

仲良くなどならない。

もう少しの辛抱だ。


「一志が色々教えてやるんだぞ。分かってるか」

とクソ先生が言ってきた。


「お前…分かった。嫌なら他の奴に頼め」


「ありがとうございます」


俺は、海に任せた。

早速朝の会が終わり、クラス全員がそいつに向かうと同時に俺は逃げた



「待ってください」



そんな俺を止めたのは他でもない、そいつだった。

俺じゃないと思って止まらずにいると



「待ってくださいと言っているでしょ」


とそいつは後ろまでに接近していた


「なんだよ」


「…。学校の案内をしてください」


「それなら海…俺の右隣の奴に頼んだろ」


「あなたがいいんです」


「…嫌だ。と言ったら?」


「あなたの安全で1人の生活は保証できません」

俺はそれに舌打ちをして、


「分かった、着いてきて」


「私も私もー」


「着いて来ないでください」


「いや、そいつは連れていこう。俺が任せるときあるからな」


「まぁ、いいでしょう」



そして、クラスから出て行き、人気のない図書館へと向かうのであった。


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