リベンジャー 南極派戦争編 第四十四章 嬉嬉とアネミの空海散歩

南極派戦争編 第四十四章 嬉嬉とアネミの空海散歩


 桜が散り、葉っぱが生える。温かい季節。

 屋敷はすごい賑やかになっていた。それは嬉嬉が大きく暴れていたからだ。

 しかも、後ろから優華が怒っていた。


「まてえ!! 嬉嬉!!」

「やーい! ここまでおいで!!」


 今回のいたずらは優華に泥をぶっかけたことだ。

 アネミは心配した顔でリーゲンを見る。


「リーゲンお姉ちゃん大丈夫?」

「大丈夫よ。それにしても悪戯好きですねー」


 リーゲンは慌てて駆け付けた音々からもらったタオルで拭いた。

 一方の神子は嬉嬉を捕らえようと待ち伏せするけど、嬉嬉は来ず、代わりにUターンで泥を被せられた。


「泥まみれっす……」

「わーい! ち……」


 嬉嬉は嬉しそうな顔で言うが、優華にとっ捕まれた。

 “やばい”と感じた嬉嬉。彼女が顔を上げるとヤクザ顔と化した優華が睨んでいた。


「う……」


 大人と化しても、嬉嬉はまだ子ども。今の威圧で泣き出した。


「――――!!!」


 その場で泣き出すが、優華は運び出す。

 訪れたのは綺羅日とkyの部屋だ。

 ノックした後。優華は入る。しかも、無表情だ。その場で下ろす優華。

 綺羅日はそれを見て、理解する。


「ゆーかん。マジめんご。キー! またおイタ? マジ、ッメ!!!」

「えええん!!」


 綺羅日に叱られる嬉嬉。嬉嬉はさらに泣いた。

 泣き止むと同時に嬉嬉が言い出す。


「だって、みんな。わーしにかまってくれないんだもん……」


 グスン。グスンとしながら、嬉嬉は語る。

 優華はそれを聞いて、頭を右手で掻き始める。


「―――。それなら、最初からそう言え、折角だからオレとリーゲンで楽しくドライブするか?」


 それを聞いて、大きく目を見開く嬉嬉。さらにアネミが近づいた。


「優華お姉さん。あたしも一緒についてきてもいい?」


 あどけない顔で見るアネミ。優華は寛容に頷いた。

 翌日。優華はバイク、水陸空両用だ。リーゲンはアネミ同様の天使化。

 嬉嬉は地面に潜って、半龍人化。そして、綺羅日はお留守番!


「キー! マジがんば!!」

「はーい! マーマー!」


 こうして、四人はすぐに出発した。

 すぐに四人は海へ突入した。

 海に入ると、嬉嬉は泥半龍人から水半龍人へと変化。

 さらにリーゲンは翼を羽ばたき、アクロバットを見せる。

 アネミは大きく目を輝かせ、アネミも真似しようとしたが、なかなかうまく出来ず、潤眼となる。

 しかし、リーゲンが抱えて、アクロバットに動き始める。

 アネミは大きく喜んだ。

 優華はそれを見て、鼻で笑う。

 しかし、嬉嬉は悪戯を考えた顔となり、アネミにちょっかい出す。

 しかし、リーゲンは避ける。それも清々しい顔でだ。

 大きくショックする嬉嬉。優華は少し笑ってしまった。


 次回 嬉嬉とアネミ、優華とリーゲンの空海散歩 遠出編

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