05-03

 彼女は人殺しを心からたのしんでいた。若い女の両肩に鉛でできた杭を刺し、生きながらにして私を使って両足を切断したこともある。幾人もの若い女を並べて両足を断ち切っては、貯まりに貯まった血液の中に女の恋人や夫、あるいは息子たちを浸けた。そして下から火をかけさえした。両足を失った女たちは、私の力によって死ぬことすら許されぬまま、愛する者たちが煮えたぎる血の海の中で崩れていくのを見せられた。彼女たちに死を懇願されるほど、エリザは高笑いを繰り返しては、その美しい口から生命への冒涜ぼうとくという毒を吐き散らした。泣き叫ぶ気力すら失ってしまった女たちを見て、エリザは美しく笑いかけ、言うのだ。無様ね、と。

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