リーゲンのスキルハント ハント3 チェーン
リーゲンのスキルハント ハント3 チェーン
「本当にごめんなさい!!」
私服に着替えたリーゲンは謝った。理由はヨゴレのショットガンや爆破玉のせいで、ニャルが丹精込めて作ったビキニアーマーを壊してしまった。
そして、案の定ニャルが大泣きして、駄々をこねる。
「うわあああああん!!! に、ニャンがせっかく作ったビキニアーマーが!! こ、壊されたにゃあ!!!!!」
その場でジタバタするニャル。すぐにリーゲンは慌てながらも、ニャルを慰める。
「ご、ごめんなさい!! 次はちゃんと壊さないように頑張るから!!」
「うー。本当ニャ? 本当に壊さないにゃ?」
ウルウルしながら、ニャルはリーゲンに聞いた。
それに対して、リーゲンは申し訳ない顔で見ると、ニャルは上機嫌になり、仁王立ちして。
「わかったにゃ! 今度は壊されない頑丈な奴を作るにゃ!」
目を輝かせながらニャルはそう言い、すぐに作業に取り掛かった。たった二分で修復完了した。
赤黒いビキニアーマー。ニャルは「今度は壊さないでにゃ」とご機嫌にいう。それに対して、リーゲンはにこやかに「そうします」といった。
次にリーゲンが向かったのはニャルの工房の隣で小槌を打っているたたらのところだ。
リーゲンがたたらに声をかける。
「あのたたらさん」
「てぇやんでぃ! リーゲンじゃねえか。あたいに何か用か?」
「うん。実は錬気ちゃんの刀なんだけどね」
「てぇやんでぃ……。優華から話は聞いたよ。残念だったね。もちろん刀も優華から預かっている。それがどうした?」
「それ私も扱える?」
「てぇやんでぃ! まあ、意思から魔力に変えることは可能だけどな」
「お願いできる?」
「てぇやんでぃ!! 合点承知の助だ! 任せときな!」
「よろしくお願いします」
活気あふれた声でたたらは言うと、リーゲンは錬気の太刀を作り直すことをお願いすると、大きく返事するたたら。
リーゲンは頭を下げて、すぐにその場を後にした。
リーゲンは窓を見ると、そこには能無が待っていた。すぐにリーゲンはさっそくニャルに直した赤黒のビキニアーマーに着替えて、そいつの方まで向かい始める。
窓を見たところまでいると、案の定能無が本を読んで待っていた。
「来たか。リーゲン」
「はい。ちょうど貴方を見ましたから」
「ふん。能力者だろ? ここにある」
鼻で笑う能無。穏やかな笑みでリーゲンはそう答える。
その返答で能無は再度鼻で笑い「つくづくと面白い奴だ」といったあと。タブレットを開いて、リストを見せた。
リーゲンはリストに目を通すとまた不思議なフルドライブスキルを見つけた。
それは【チェーン】というフルドライブスキルがリーゲンの目に映っていた。
「そいつは通称〈束縛〉。年齢は19歳。昔彼女を寝取っただけで地下派の人間と手を組んだ者だ。
当然地下派と手を組めば、地上波で総スカンだ。
気に入った女を鎖で縛り、さらに逃げようとする女を鎖で締め上げる悪い男だ。
過去のトラウマでビビっているとは全く情けない男だ」
勝手に解説する能無。リーゲンはまじまじと確認する。相手は気弱な男性だ。
しかし、能無が言っているようにこいつは過去のトラウマをずっと引きずっている悪い男。
「依頼受理します。場所をすぐに教えてください」
「場所は今廃墟と化した王都 ホープだ。その廃都に奴がいる」
能無が居場所を教えると彼女はすぐに駐車場へ向かい、バイクを起動して、王都へ向かった。
バイクで駆けるリーゲン。王都は自分の第二の故郷であるが、同時に思い出したくない場所だ。
王都 ホープに着いたリーゲン。城に誰かが住んでいるようだ。
「【能力オープン オーバーロード】」
オーバーロードを使い。四肢を魔力で強化。すぐに屋根に上って、城まで着いた。
案の定そこには気弱で瘦せ細った男〈束縛〉が大量の魔力穴から鎖を出して、女たちを大量の鎖で捕えていた。
「ぼ、僕から逃げると君たちを締め上げるぞ!」
気弱に言うが、どうやら女たちは抵抗できず、言われるがままであった。そこでリーゲンはドロップキックで窓を破壊。
「だ、誰だ!! お前!! 僕の時間を邪魔するな!! フルドライブスキル〈チェーン〉……」
「遅いです。【能力オープン 武器創生】」
束縛がフルドライブスキル〈チェーン〉を発動するけど、早かったのはリーゲンだ。
リーゲンは魔力で銃を作り出して、早撃ち。これも武器適応能力の力だ。
銃を構えるリーゲン。すると束縛は言う。
「ぼ、僕は彼女が欲しいだけだ!! でも、彼女が悪いんだ!! 僕を裏切るからだ!!」
「――――」
リーゲンには迷いがない。過去にも同じ光景が浮かんだ。あの女にいろんなことを否定され、束縛された記憶が脳裏に浮かんだ。
「過去を振り返るな。意気地なし!!」
優華みたいな冷酷な顔で言った後。両肘の付け根事を銃で弾き飛ばした。
そして、銃を消して、両手を前にして、両親指で両人差し指を押して、関節を鳴らし始める。
「【能力スティール】」
リーゲンがそういうと、右手を魔力で纏わせて、それを相手の心臓付近から現れた魔力穴に突っ込む。
そこから引きずり出した魔力球。それを【能力インストール】で自分の能力にする。
「か、返せ!! それはぼ――――」
束縛は逆上して、リーゲンに襲い掛かる。しかし、リーゲンは【能力オープン 武器創生】で作った片手剣で相手の首を切り飛ばした。
フルドライブスキルの鎖は消え去り、拘束された女性はその場から逃げ去る。
リーゲンはその場から去り、バイクでこの場から消え去った。
リベンジャーの屋敷に着いたリーゲン。案の定能無が立っていた。
リーゲンは束縛の首を手渡した。
「確かにターゲットだ。ほら、報酬の15万ツカだ」
無表情に能無はツカをリーゲンに手渡す。
咄嗟にリーゲンはあることを聞き出した。
「どうして、自分ではいけないのですか?」
「貴様には関係のないことだ。悪いが用がある。また明日だ」
能無はそう言って、すぐに去った。
殺害対象者
束縛 フルドライブスキル チェーン
一度せっかく手にした彼女を寝取られたせいで、性格が酷く歪んだ者。地下派の人間と手を組み。フルドライブスキルと金さえ払えば、女を差し上げることで喜びを感じ、気に入らない女性があれば、チェーンで絞殺する。
絞殺した女性は地下派に売り払っている。
次回 ハント4 白鬼腕
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