第30話 子どもたちを支えるサポーターに感謝

 雨季の終わり10月末、野球連盟の他に真の活動を支えてくれていた体育局から連絡があった。「甲子園大会」の参加校がそろそろ決定するそうだ。そしてスパーンブリー県、ナコンシータンマラート県に加え、3ヶ所以上の場所に野球チームを作りたいという真の要望に応えるために、来年1月からイサーン(東北部)にあるシーサケット県の体育学校に行くことで調整してくれているそうだ。

 また、バンコクの日本人会からチャリティーバザールの収益金を寄付したいとの申し出や、日本での教え子の将志から集めた野球道具を送りたいと2回目の道具リストが送られてきた。その他、FMラジオに出演してタイの野球普及活動について話す機会をもらったり、世話好きの日本人がプロ野球OB会に紹介してくれたり、様々な方々のサポートの動きに対して、真の活動内容をメール等で送付し誠実に対応した。

 日本人会でソフトボールを一緒にプレーした縦松さん、浦山さんに加え、バンコクでお世話になっていた赤山さんがナコンシータンマラートまで子どもたちの様子を見に慰問旅行で訪れてくれた。

 さっそく紅白戦を見せた。彼らにして見ると短時間でここまで野球技術が上達した子どもたちの姿に触れ、とても感動した様子だった。紅白戦終了後には一緒になって野球指導にあたってくれた。ハッジャイの空港からレンタカーをかりて、ユニフォーム、バット、ボール、キャッチャーミットなど多くの道具を積み込み、それら全てを寄付してくれた。赤山氏がバッティングピッチャーをつとめてくれてのフリーバッティングでは、いいあたりを連発する子どもたちの成長ぶりに興奮しながら投げ切ってくれた。

 一人ずつ子どもたちへ野球の面白さと厳しさ、そして野球を通して得ることのできる大きな喜びを手にするためにも頑張って続けていって欲しいという、温かいメッセージを伝えてもらってひと時の交流は終わった。

 真はそのまま3人と一緒にハッジャイ空港まで見送りに行き、出発時間までビールで乾杯した。来月、タイにおける「甲子園大会」開催に中学校の部で出場することを伝え、彼らは絶対に見に行くとバンコクでの再会を約してくれた。彼らが飛行機に乗り込むのを最後まで見送ってナコンシータンマラートへもどった。

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