ドリームフェザー

ユーディ

第一章 ドリームフェザー 崩壊まで五日

ドリームフェザー 崩壊まで五日


 皆さん初めましての方は初めまして、そうでもない方はこんにちわであります! ユーディであります。

 今回はこの話。とある話の前日譚みたいなものでありますからよろしくお願いしますであります!


 ここ地球に近い惑星。ここではたくさんの〈魔水晶〉や〈魔法宝石〉が豊富であり、人々はそれを使って、武器や兵器。アクセサリーに使われ、更には魔法の依り代として使われていた。

 しかし、人々の平和はそう長くなった。

 ある日魔物たちが産まれ、人々はその存在に大きく悩まされていた。

 そこで世界の人たちは武器を使って、魔物たちを一掃することを誓う。

 そして、ギルドという会社みたいなのを立ち上げて、魔物の討伐や武器や弾を作る企業まで作った。

 これはとあるギルドの……。とあるギルドが崩壊した話である。


 ジャパー。ここ〈メイン・ストリート〉ではとあるギルドが作られていた。

 〈ドリームフェザー〉という人々に夢を与える仕事だ。魔物討伐。納品依頼。魔物捕獲依頼の他にも極悪人を処刑する〈処刑任務〉があった。

 ギルドの屋上で曇りの空を見て、眺める女がいた。

 赤いボサボサ髪で右目が赤。左目が黄色のオッドアイ。頭に狼耳と狼尻尾が生え、ボロボロのギルド服。右胸にハートと一つの羽が描かれたエンブレムを付けた女性〈織田 優華〉が寝そべり、黄昏ていた。


「―――――」


 優華は少しつまらなさそうに見ていた。何せ、他のメンバーが消息不明になったからだ。

 ギルド長も秘書が逃げて、今は塞ぎ込んでいる感じだ。

 そんな奴を見ていると優華は歯をギシギシと鳴らし始める。優華の左目は相手の心の色がわかる特殊能力であり、赤目は相手がどれだけ悪い奴かがわかる能力だ。

 皆はギルド長の腑抜けな顔を見て、愛想を尽かしてしまった。

 優華はそれを思い出して、大きくため息を吐いた。

 その隣で金長髪の黄色の瞳。白い肌をした。緑ギルド服を着た出るところ出ている女性〈柴田 安楽満(しばた あらま)〉が屋上にやってくる。


「また。お空を眺めているのですか? 優華さん?」

「あ? うん。なんか最近ロクな依頼がないからさ。それに奴らも去っていったしな」

「そうですね。最近音々も不安そうでした。何より……」

「ん?」


 安楽満が体育座りしながら、優華に話しかける。

 一方の優華はつまらなさそうに頷いた。

 それは安楽満も同じであった。拾った子である音々も最近そのことで不安みたいだ。

 そして、安楽満がマジで腹立っていたのは、ギルド長だ。

 ギルド長はずっと部屋に引きこもりになっているため。指示も全くない。

 安楽満はナックルを装備して、怒った顔で向かおうとしていた。


「あのギルド長の根性を叩き直してあげる……」

「バカ! お前そんなことしたら、ギルド管理のサツが来て、お前は人生終了になるだろ? それにお前がやったら、叩き直すどころが死ぬだろ」


 呆れた顔で安楽満を止める優華。

 ギルド管理のサツとは早い話。ギルドを管理している警察たちのこと。

 ギルドには不正や暴力沙汰が起きるとセンサーが作動して、警察たちが出動。そして、逮捕というのが流れである。

 証拠があるため。言い逃れができない。

 捕まった場合は数年の懲役。または罰金である。

 さらにギルド内での殺人の場合は懲役&ギルドカード剝奪だ。

 ちなみにギルドカードとは早い話が免許書みたいなものである。これはここのギルドの者でありますよということだ。

 しかし、優華はあることを思い出した顔で安楽満に話した。


「まあ、ここギルド管理警察に見捨てられているから。多分大丈夫かと思うな」

「あ、そうでした。資金も半分ない感じですし」


 安楽満もそのことで思い出した。業績によっては見放されることもある。

 でも、それがチャンスだ。あの腑抜けギルド長をボコすことができると思った安楽満。しかし、運というのは唐突に悪くなるのである。緑色の醜い亜人〈ゴブリン 通常種〉が5体乱入。

 優華と安楽満の体を見て、ニタニタ笑い。すぐに襲い掛かる。

 安楽満の両腕が緑に輝き、大きく振りかぶって殴った。

 ゴブリンの首は完全に粉砕。それと同時に首が飛んだ。

 安楽満の能力〈オーバーロード〉。魔力で体を強化する特殊能力。昔はそのせいで病弱になったが、今は克服しており、フルパワーに使いこなせていた。

 それに安楽満はたくさんの武器を使いこなしており、ギルド服の懐から短剣を持って、次に襲い掛かったゴブリンの腹に刺して、深く抉り始める。

 そして、ゴブリンはその場で力尽きる。

 優華も起き上がり、両手袋を外した。それは黒い禍々しい両腕だ。

 手から黒い球が現れる。黒い球は黒双剣となり、優華がそれを持つと同時に目にも見えない速さで切り刻んだ。


「【辻暴鎌鼬(つじぼうかまいたち)】。お前はもうサイコロステーキになっている」


 冷静な顔でそういうと、本当にゴブリンがサイコロステーキになった。

 もう一体のゴブリンが襲い掛かるけど、優華の頭突きで怯み。さらに右手に持った黒剣で刺して、ヤクザキックで更に抉らせた。

 最後のゴブリンは逃げようとするけど。優華が右手でとっ捕まえて、一緒にダイブ。

 そして、左手の黒剣で刺した後。地面ついたと同時にゴブリンは深く抉った。

 優華は立ち上がり、血が付着した黒剣を振り払った。

 しかし、優華の顔はとてもつまらなさそうであった。


 魔物図鑑


 通常種


 スタンダードな種族。どこにでもいるため。こいつらのクエストの報酬はあんまり期待できないし、武器の素材もあんまり期待できない。


 ゴブリン 通常種


 ファンタジーの中では有名なモンスター。汚くて醜いモンスター。女が大好きで女を捕まえては種族繁栄に使われることも。


 ドリームフェザー崩壊まであと四日……

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