ダンシンゴンユー


あなたはわかってる

似合わないDior被ったコート

歪なカラーコンタクト

包丁は全部なまくらで

鈍い光しか返せない鏡


わたしはわかってる

旨いも旨いと言えないオフィス

白黒させず自己都合

Nightmare is boring yet.

鈍い光で輝くタイピン


万年筆は時代遅れだと父が言った


あなたは視えている


あった?

あった?


公園の猫は隣で四角く座る


少し潰れた薬臭いコロッケパンは

懐かしい味がする帰り道


笑わない口元の硬いつまらない彼に

年々似ていく気がしている


例えば夜に閉じる花

偶に開き続ける花がある

それが私


万年筆を贈るあなた

君に似合うと言った


時代遅れだと言ったあなた


万年筆を贈るあなた

君は変わったと言った

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