いけいけ勇者様57

最上司叉

第1話

そしてちび勇者は喋る剣を持ち勇者たちの住む家までやってきた。


「魔王覚悟!」


「あら、ちび勇者君」


「魔王は?」


「今出かけてるの」


「いつ頃戻る?」


「もうそろそろ戻ってくるわよ、お茶でも飲んで待ってて」


女がお茶とお菓子を用意した。


「ありがとう」


ちび勇者は早速お菓子を食べ始める。


「ふふっそんなに焦らなくてもまだいっぱいあるのよ」


「おいふい」


「ありがとう」


ちび勇者がお菓子を口いっぱいに頬張りながら待っていたその時剣がいきなり喋りだした。


「おい貴様!今魔王と言ったか?!」


「?」


女はどこからか声が聞こえてきて不思議な顔をしている。


「答えぬか!」


【ガチャ】


ちび勇者が扉の方を見た。


「ちび勇者きてたんだ」


「魔王覚悟!」


ちび勇者が喋る剣を抜き魔王に切りかかった。


「コラ貴様やめぬか!」


ちび勇者が喋る剣に怒られている。


「あれその声はもしかして喋る剣?」


「魔王様お久しぶりでございます」


「ホント久しぶりだね」


「魔王知り合いか?」


魔王の後ろから勇者が話しかける。


「うん、魔王城にいたけどいつの間にか盗まれてて」


「話せば長くなります」


「元気そうで良かった」


「魔王様」


「…」


ちび勇者は黙ってしまった。


喋る剣で魔王に勝てると思っていたからだ。


「…なんでだよ」


「ちび勇者?」


「今度こそ勝てると思ったのに!」


ちび勇者はそう言い勇者たちの住む家を飛び出そうとした。


【ガシッ】


勇者がちび勇者の首根っこを捕まえる。


「ちび勇者、魔王を倒したければ俺を倒してからにしろ」


ちび勇者はそれを聞いて落ち込んでしまった。


勇者の噂はちび勇者の耳にも入っていたからだ。


とても勝てる相手ではないからだ。


「何事かのう?」


「あぁすまない」


「そのちっこいのは黒い花の時の子供かのう?」


「お前は!」


「妾はまだ本調子では無いのでのう」


「すまない騒がしくて」


「いつもの事じゃのう、ところでアレは取ってこられたのかのう?」


「あぁここにある」


【パク】


ドラゴンの女は受け取るとすぐに食べてしまった。


「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」


「大丈夫か?」


【バシッ】


ドラゴンの女は勇者の手を払い除けた。


「?!」


【プシュー】


ドラゴンの女は突然苦しみだしたが息を吐き落ちついた。


「なんなんだ?」


「すまぬのう、久しぶりにドラゴン草を食べたのでな」


「ドラゴン草?」


「何気にするでない」


「またそれか」


ドラゴンの女はドラゴン草を食べ身体の調子が戻ったみたいだ。


1人取り残されたちび勇者は落ち込んだままだ。


「どれそこのちっこいのを鍛錬してやるかのう」


「!!良いのか?」


「あぁ特別のう」


そしてちび勇者の死にものぐるいの鍛錬が始まった。


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