第101話

休暇を取ることになった俊であったが、楓、ハルカ、シオン、エルフィンドと買い物に行くことになった。

商品に関しては移民の第2陣が到着した際に追加されており、種類がかなり増えている。

今後は定期的に輸送艦が行き来して補充されることになっている。

今、4人は服飾店でそれぞれ気になった服を試着している。

「見て見て。どうかな?」

そう言って試着室から楓が出てくる。

楓は露出の少ない服を選ぶことが多かったのだが、今回の服は中々大胆なデザインである。

少し動くだけでスカートの中が見えてしまいそうだ。

それだけでなく胸元も開いている。

「少し大胆すぎない?」

「そうかなぁ?」

疑問形で言っているが、楓も自覚があるのか顔を赤くしている。

「ぬふふ。楓さんは甘いですね」

そう言って背後から現れたのはハルカだ。

ハルカはぎりぎり下着の見えないダメージジーンズに下着が透けて見えてしまいそうなトップスを着ている。

「ちょっと。ハルカ・・・?流石にそれはアウトだと思うなぁ」

そう言ってシオンとエルフィンドも顔を出す。

シオンは普通のワンピース姿だ。

よかった。

これ以上、刺激されたら理性が持たないところだった。

エルフィンドはどこかの民族衣装なのか、神秘的な雰囲気を出している。

「どうかしら?」

「うん。似合ってると思うよ」

「たまには故郷の格好もしてみるものね」

なるほど。

エルフィンドが着ている服は故郷の服だったのか。

「2人共、その恰好じゃ外歩けないでしょ?着替えてきなさい」

そう言ってシオンが楓とハルカを試着室に押し込んだ。

しばらくして出てきた楓は質素な丈の長いスカートにブラウスを着ている。

ハルカはパーカーに長ズボン姿だった。

だが、楓もハルカも先ほど着ていた服をしっかり手に持っている。

商品棚に戻すでもなく楓とハルカはそのまま会計に向かった。

俊は先ほどの楓とハルカの姿がフラッシュバックする。

煩悩退散と頭を何度も振る。

「俊さん。大丈夫?」

そうシオンが呼びかけてくる。

「あっ。うん。変なところ見せてごめんね」

エルフィンドが茶化すように言ってくる。

「ふふ。俊も男の子だね」

そう言ってにやにやしていた。

何を考えていたか筒抜けのようで恥ずかしかった。

その後は普通に色々な店をまわり、いい時間になったのでフレンチレストランに入る。

出来たばかりではあるがお値段が高いだけあって食材は厳選されており、安心して食事ができる。

食事も終わり解散かと思えば、いつの間にか4人に囲まれていた。

逃げ出すこともできず、俊はそのままホテルに連れ込まれた。

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