第41話

スペースウォーのチーム対抗戦4戦目がはじまった。

ここで、ドリトルさんからはじめての指示が出る。

「各自、散開よん」

俊達は、すぐに散開するが、反応の遅れた駆逐艦が1艦、火に包まれる。

「これは・・・?」

「長距離からの狙撃よん」

「どうしたら?」

「私が前に出て、攻撃を引きつけるわん。その間に、相手を包囲して攻撃よん」

「わかりました」

俊達は、すぐに行動に移った。

密集して狙撃されれば被害が広がる可能性があるため、集結ポイントを指定して、各自の判断で集結ポイントを目指す。

その間、ドリトルさんの戦艦が何度も狙撃を受ける。

ドリトルさんの戦艦は何発も被弾しているのに耐えている。

俊達もブースターを全開にして集結ポイントを目指す。

集結ポイントに到達したが、まだ、到達できていない艦もいる。

敵に近づいているし、集結しているので、相手からの狙撃が怖い。

そこにドリトルさんの号令がかかる。

「全艦、突撃よん」

俊達は、敵艦目がけて突撃を開始した。

相手も抵抗するが、狙撃に全振りしていたのか、装甲はそこまで高くないようで、次々に相手の艦を沈めていく。

ここで、大活躍したのが楓の操る戦闘機部隊だった。




「いやぁ・・・。あんな戦術があるなんて・・・」

「このチームは初見殺しに近いわねん。前の大会でも上位に食い込んでいたのよん」

「そうなんですね。でも、よく気づきましたね」

「ふふ。私の戦艦は戦域全体をカバーできるぐらいレーダーを強化してあるのよん」

「電子戦艦って奴ですか?」

「のんのん。私の戦艦は、万能戦艦よん」

言われてみれば、防御力も攻撃力も高い。

万能戦艦と言われても納得できる。

「なんていうか、ドリトルさん1人でも優勝できるのでは?」

「それがねぇん・・・。前回は準優勝だったのよん」

準優勝でも十分凄いが、上がいるのに驚きだ。

「ドリトルさんが負けた相手って・・・」

「スペースウォーにはプロもいるのよねん。前回、負けたのはプロが集まったチームよん」

「プロもいるんですね」

「でも、今年は優勝できそうなのよねん。貴方達には期待してるわん」

プレイ日数を考えれば、自分達よりやり込んでいる人は多いだろう。

でも2か月の間、準備をしてきたのだ。

どうせやるなら、優勝を目指したい。

俊は決意を新たに、少しでも実力をあげる為に、他のチームの映像を確認した。



ハルカ達は残念ながら、4戦目で敗退したようだ。

スペースウォーの大会中は休みにしていたので、勝ち残っているチームの映像を分析をしたりしてフォローしてくれていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る