第39話

いよいよ、スペスウォーのチーム対抗戦がはじまった。

俊は何とか、期間内に納得のいく重巡洋艦を完成させていた。

試合の内容は、遠距離でのミサイルに撃ちあいで幕を開けた。

密集陣形で弾幕を張り、相手のミサイルを防ぐ。

相手もミサイルを密集陣形で防いでいる。

ここで、楓が少数の駆逐艦と共に、密かに相手の裏をかくために移動を開始した。

数が少なくなって、一時的に不利な状況になる。

いかに相手にこちらの手を読ませないかが勝負の分かれ目だ。

俊達は残った戦力で、相手を引きつける為に、接近する。

激しい、ミサイルとレーザーの撃ちあいになる。

相手の航空母艦から発艦したと思われる、戦闘機もやってくる。

味方の駆逐艦にダメージが入る。

だが、ダメージの入った駆逐艦をフォローするように陣形を組みかえていく。

そこに相手の虚を突いた、味方の戦闘機が相手の航空母艦を襲った。

相手の航空母艦はあっという間に、味方の戦闘機により蜂の巣にされる。

この味方の戦闘機は、相手の探知ぎりぎりまで進出していた、別動隊である楓の航空母艦によるものだ。

実際の戦闘では、戦闘機の燃料問題によってこのような手は使えない。

スペースウォーならではの奇襲作戦だった。

俊達が、相手をする相手の艦隊に乱れが生じる。

この隙を見逃さず、俊達はいっきに攻勢に出た。

次々に相手の艦を沈めていく。

相手の戦艦が我慢できなかったのか、突っ込んでくる。

俊はここで、味方の盾になるように、重巡洋艦を前に出す。

相手の戦艦の主砲が、俊の重巡洋艦に当たる。

しっかり改造したことにより、主砲が当たっても、数発なら耐えられそうだ。

そこに、楓の航空母艦の護衛についていた、駆逐艦が相手の戦艦の背後から襲いかかる。

いくら、戦艦が強敵でもこうなってはどうすることもできない。

相手の戦艦は奮戦するが、撃沈された。




「皆、おつかれさまん」

「ドリトルさん。どうでしたか?」

「いい戦いぶりだったわん」

今回はあえて、ドリトルさんの戦艦は後ろで見ていただけだ。

やばそうなら、介入してもらうつもりだったが、その必要はなかった。

「改善点とかはありますか?」

「そうねぇん・・・。楓ちゃんを思いきった運用は見事だったけど、危ない賭けだと思わん。索敵に力を入れた艦がいれば、逆にピンチになるわねん」

「索敵を強化してる人もいるんですね」

「トップの化け物達、ぐらいだけどねん」

ドリトルさんにアドバイスをもらっているとハルカがやってくる。

「私達も勝ちましたよ」

「おめでとう」

「次の対戦は1時間後ですね」

「少しゆっくりしようか」

「私、皆を呼んできますね」

そう言ってハルカは走っていった。

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