第13話
人手が増えたことにより建造用の工作機を新たに製造した。
工作機は明石の設備よりは建造ペースが遅いがそれでも戦力として十分に役立っている。
基本的に、工作機が作るのは駆逐艦だ。
明石は、今後のことを考えて重巡洋艦の建造をしている。
他の艦船を作るよりはペースが遅いがこれは仕方のないことだ。
建造もデータを設定すればAIが行ってくれる。
暇を持て余した俊達はシミュレーションで様々な武装や装備を試し、議論を交わす。
冒険者組合も戦力を集めているようだが、理想としては俊達だけで、拠点を破壊できるだけの戦力を集めることだ。
だが、時間の制約を考えればそれは難しい。
基本的な装備はレーザーだが、ミサイルなどの武器も導入する。
それだけでなく各艦を守る、シールドドローンなる物も作り出す。
シールドドローンは相手の攻撃を受け止め、艦を守る使い捨ての装備だ。
シュミレーションだけではあるが、シールドドローンの効果は極めて高い。
駆逐艦や軽巡洋艦に搭載するスペースはほとんどないが大型輸送艦に詰め込めばいいだろう。
明石のレーダーでは時折、不審な艦をとらえていた。
方角からすると海賊だと思われる。
「マスター。不明艦5艦を確認しました」
今のところこちらを認識はしていないだろうが油断は禁物だ。
「第二級戦闘配置」
休んでいた、ハルカとフィーネが指令室に駆け込んでくる。
「もう、またですか?」
「ふわぁ・・・。眠いです」
「寝ていたところごめんね」
「いえ、俊さんが悪いわけでは・・・」
そんなことを話していると状況に変化があった。
「不明艦が1艦、こちらに向かってきます」
「第一級戦闘配置に変更。駆逐艦5艦と巡洋艦1艦、その後方に航空母艦を配備。こちらから迎え撃って」
「了解しました。ただちに、向かわせます」
AIは正常に動作して近寄ってくる艦に向かっていく。
威嚇目的であるが、かなり近寄ってから相手側の反応があった。
急速に離脱していく。
こちらの陣容を見て、勝てないと判断したのだろう。
他の不明艦もレーダーの範囲から離脱していく。
出来れば情報を与えないように撃破しておきたかったが、無理に戦う必要もない。
出撃させた艦を手元に引き戻す。
「第三級戦闘配置に変更」
しばらくは警戒が必要だが、警戒を緩めてもいいだろう。
今、現在は明石のレーダーが一番性能がいいのだが、索敵専門の艦を作ってもいいのかもしれない。
そう思って、俊は新しい艦の設計を開始するのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます