第3話
俊は万能工作艦明石にも自衛能力があるということで戦闘機を2機、直掩に残した。
8機はデブリに潜ませ待機させる。
敵船が近づきレーダーで識別する。
敵船は駆逐艦級の宇宙船だった。
レーダーはこちらの方が性能が上のようだ。
戦闘機を潜ませたエリアに敵船が侵入する。
その瞬間、潜ませていた戦闘機が襲い掛かる。
敵船も気づいたようで反撃を開始する。
戦闘機2機が被弾するがそれでも攻撃を続行し次々に戦闘能力を奪っていく。
10分もかからず戦闘は終了した。
「状況を終了します」
「う~ん・・・。これは被害が大きいと見るべきか少ないと見るべきか」
「最初の戦闘であることを考えれば上出来かと思います」
「被害をもっと減らさないと・・・」
「もう一度、シミュレーションをしますか?」
「うん。お願い」
その後、様々なケースを想定したシミュレーションを何度も繰り返す。
指示を出した後の戦闘はAI任せだがそれでも被害は徐々に減っていった。
シミュレーションを終了し、状況を確認する。
5機目の戦闘機が完成したところだった。
戦闘機を2機、直掩に残し3機を掘削機とドローンの援護にまわす。
そろそろお腹が空いたなと思ったら時計は12時を示していた。
食堂に移動し、メニューから狐うどんとサラダを選ぶ。
テーブルの中央から湯気をあげている狐うどんとサラダが出てきた。
狐うどんを啜りつつ、他には何のメニューがあるのか確認する。
メニューはなんと地球上の全メニューを網羅していた。
食にこだわるあの父親らしい仕様だ。
備蓄食料は100年分。
食料に余裕のあることはいいことだ。
とはいえ、せっかく宇宙に出たのだ。
色々試してみたいところではある。
ある程度、戦力が整ったら人のいる場所を探すのもいいかもしれない。
食事も終え、再び指令室に戻り、シミュレーションに戻る。
まだ、作れない艦船のデータも入れてシミュレーションを実地する。
何も考えずに戦闘機を作ったが航続距離が短いのがネックだ。
戦闘機母艦は必須だろう。
そうすると戦闘機母艦を守る為にさらに、戦力が必要になる。
まずは、戦闘機を20機作る。
それが終わったら、駆逐艦級の製造だ。
駆逐艦級はとりあえず5艦はほしい。
戦闘機母艦はとりあえず1艦あればいいだろう。
戦闘機母艦1艦で戦闘機を100機は収納できる。
何をするにしても資源が足りない。
資源が溜まるのを待つしかないだろう。
俊は暇な時間をシミュレーションに費やすことで時間を潰した。
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