QOLの向上を願って。
幸せ色に♪ 🌈
QOLの向上を願って。
ようやく、寝かしつけ完了。
さて、彼女の新たに発覚した病気のことでも調べるとするか。
宣告を受けてから、ずっとしんどそうにしてるからな。
少しでも、楽にしてあげたい。
精神的につらいんだよね。
そりぁ、そうだよ。突然、命に関わるような病気ですよっていわれたら。
この年齢で?って君は言ってたけど、
年齢は関係ないし、原因も不明なんだ。
俺も医者だけど、今回の件はわからないことだらけ。悔しい。
そう言っていても始まらない。
まだ俺だって、君に打ち明けられて間もないから
動揺を隠せずにいるかもしれない。
でも、俺が前向きにならないと。
共倒れになっちゃう。
それだけは避けたい。
病気自体のことは、専門の病院に任せるとして、
俺にできること、協力できることを探さないと。
あー、やっぱり身近な人となると難しいよなぁ。
どうしても、感情移入しちゃう。
はぁー。ため息ばかり。だめだめ、俺がしっかりしないと。
まず取り組むのは、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上だな。
クオリティオブライフとは、一人一人の人生の内容の質や社会的にみた生活の質のこと。どれだけ人間らしい生活を送れているか、自分らしい生活を送れているか。
それに加えて、人生に幸福を見いだせているかということ。
よし、気合い入れてっと。
君の心を満たせるものを見つけて、前向きセンサーのスイッチを押せるように。
時間はかかるだろう。でも、諦めずに、一歩一歩前進だ。
さぁ、どこにいるかな。
みーつけた。
なになに、そんな暗いところで明かりもつけずに。
ねーねー、大丈夫?
お話できそうなら、聞かせて。何がつらい?
お話できないか。
もう一人で抱え込む必要はないんだよ。
今何が一番困っているか、教えてもらえる?
うんうん、なるほど。
思うように動けないのがつらいんだね。
まさに、俺の考えていたクオリティオブライフの向上といったところだな。
治療前と同じように生活できなくなるのはしんどいよね。悲しい?
うん、そうだね。悲しいね。
でもね、この変化のある中で、自分らしく納得のいく生活の質の維持を目指していこう。たとえば、うーん、そうだな。
お布団に横になる時は、具合が悪いときだけにする。
まずは、ここから始めてみようか。
実際に体調が悪い時だけ横になるということだよ。
漠然と調子が悪いなと感じている時には、しんどいかもしれないけど、
頑張って体を起こしてみる。
できそうなら、リビングにきてみる、ソファに座ってみるとか。
焦らず、できるところから始めていこうな。
精神的な落ち着きを取り戻すには、相当な時間がかかると思う。
その頃には、気分転換の方法を自分で見いだせるようになっているはず。
つらい時はつらい、怖い時は怖いと遠慮なく、俺に伝えて。
絶対に無理はしたら駄目だからね。
ん? 弱い自分を見せたくない?
なに、この期に及んで。そんなこと言って。
今、君には助けが必要なんだよ。
一人では乗り越えられない。
いくら、君が頑張り屋でも、強い子だとしてもだよ。
そういう時もあるんだ。
人を頼っていいんだよ。
君には、俺という医者彼氏がついてる。
安心して、自分らしくいこう。
大丈夫、一度繋いだ手は離さない。
QOLの向上を願って。 幸せ色に♪ 🌈 @shiawaseiro
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