‰。

N.N.

斎藤奏介の話

 中学校に入ってすぐに、三人の友達ができた。

 あいつらはいつも馬鹿ばっかやっては先生に叱られていた。それでも馬鹿な行動はやめなかった。

 俺はそんなあいつらに憧れた。自由に生きてみたいと思った。

 今まで俺は両親の言うままに勉強し、中学校の受験に受かったら幸せになれると洗脳のような教育をされてきた。

 だからだろうか、受験に失敗し結局みんなと同じ中学校に進んで、あいつらを見て自由だなと思ったのは。


 俺が渇望したのは自由、もとい両親への反抗。友情なんてその時はまだどうでも良かった。


 今の俺はかつての俺が求めた自由とは程遠いかもしれない。

 今はただのニートじゃないか。何もできない、ただの引きこもり。

 ああ、だけどある意味では自由かもしれない。


 今の俺を縛るものはあいつとの約束しかないのだから。


 雅斗まさとの約束を破って地元を離れた透夜とうやみたいになってはいけないのだ。

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