第23話
「寄ってく?」
夕実と途中で分かれると、紅羽を家に送っていくと紅羽はそう言った。
「いや、いいよ」
「そう?
翠ちゃんは紅羽の四つ下の妹で、確か小学六年生だ。
「あ、兄ちゃんだ」
後ろを見ると、活発そうな短髪に前髪は真っ直ぐ揃えられている土まみれの女の子がいた。
彼女は目を輝かせながら、こちらを見ると我慢できなくなったのか抱き着いてくる。
「こら翠、汚れてるんだから抱き着いちゃ駄目でしょ」
「あ、ごめんごめん」
紅羽の言葉に従い、翠ちゃんは離れにこりと笑う。
この笑顔、昔の紅羽にそっくりだ。
「せっかくだから上がってくでしょ?」
「いや、今日はやめとくよ」
手を引っ張る翠ちゃんにそう言うと、拗ねた顔をする。
この拗ね方、紅羽に似てるな……流石姉妹。
性格も二人とも活発でよく似たしまいだ。
「それじゃあ、行くよ」
「うん、また明日」
そう言って僕は家に向かった。
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