第9話 エウロパ
人類が住むには、最適とは言えないな。
未知の生物がいる可能性があり、不明な点が多い。
水があるだけ、希望は持てる。そもそも地球に別の星から生命体が来たら共存は出来ないだろう。ウイルスや食料、環境など適応は簡単でない。
ここもそうだ。勝手に来たのはこっちだもんな。
不時着した宇宙船もすぐには修理出来ないだろう。
船長の指示が飛ぶ。切迫してる様子はない。
【整備班、ここに残って船の応急的な修理を頼む】
【総務は地球との連絡手段を検討してくれ】
【環境班、酸素の残量確認、消費を抑制、余裕あったら武器の管理を頼む】
的確だな。船長。整備班の行動早いな…もうエンジンルームに向かってる。
【治安維持に関する班は私についてきてくれ。武器を忘れずにな】
俺もだろうな。回復に関するものも持っていくか。
【前方に見える建造物を調査に行く。あれは地球で製造されたものではない。警戒を怠るな】
完全防備で船外に出た俺達は、少しずつ近づく。
※…ジジ…ここは…私達…の…星です…勝手にはいられては…困りま…す※
何か特殊な電波だろうか?歓迎されていないのは、少なからず伝わってくる。
※…再度…警告…します…これ…以上…近づくことは…※
突如、建造物が消えた。ホロスコープか?
【船長、環境班から緊急連絡です】
【なんだ?とりあえず警戒を解くな。内容を聞いてくれ!!スピーカーモードにして共有してくれ】
※【船長、酸素の残量が思ったより早く、持って数日です。整備班の話では何とか船は動かせるようです。至急戻って下さい!!】※
【船長どうされますか?】
【私はこのまま建造物があった方向に向かう。全員船に戻り脱出の準備を。6時間以内に私が戻らなかったらエウロパから離脱してくれ】
【船長…そんなことは…】
【急げ!!みんなが生きる可能性を少しでも高めろ!!】
俺も…残るしか…ないな。
【俺は船長と行動を共に】
【いいのか?片道切符かも知れないぞ】
【構いません。急ぎましょう!!】
【君のような戦闘のプロがいれば安心だがな…すまん。急ごう!!】
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