第二十九話 集結
森は異様な空気に包まれていた。
これまで何度もクリーチャーズとの戦いの舞台になったこの森だが、これまでのどの時よりも、森は禍々しい空気に包まれている気がする。
さっきまでそんなことなかったのに、今は風が荒れて、空は分厚い雲に覆われていた。
「やっぱりおかしい」
と、隣に立つ佐々木が言った。
佐々木と海鳥とは先程合流した。
「『
俺は何がおかしいのかわからないから訊いた。
「その何がおかしいんだよ?」
「クリーチャーズは群れを為さないのよ」
聞けば、クリーチャーズは『
『
確かに振り返ったら、これまで襲って来たクリーチャーズは、どれも単独で行動していた。
気にしたことなかったから、疑問に思ったことがなかったけど……そんな理由があったのか。
が――今現在、統率を取っているかのように行動しているということは、クリーチャーズは『
「『
佐々木はより一層警戒心を強めて言った。
「チッ。この数のクリーチャーズだけでも厄介なのにっ‼」
「けど言っちまえば、『
話している最中にクリーチャーズが襲い掛かって来た。俺達は各々で攻撃を迎撃する。
佐々木は空を飛んで火球で。
海鳥は空へ跳んで繊維を張り巡らせて。
俺は肩に担いだレイラが雷撃で迎撃した。
「神崎かなめ! あんたに言われた通りここに来たけど、これからどうするのよ⁉ この状況を増援なしで覆す方法なんてあるの⁉」
「あるよ」
「あるの⁉」
「ああ――レイラ」
「ん?」
俺は山賊に攫われた姫のように担がれている、レイラに向かって言った。
『災禍の化身』と言われている最強の吸血鬼に。
「暴れろ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます