妻に若い男の子と一緒に寝ている所を見られてしまった

さいとう みさき

裸の若い男の子って触り心地が良い♡


「ねえ、これは一体どう言う事?」



 完全に油断していた。

 

 健康の為にジム通いを始めた妻が不在の間、最近寒いので若い男の子を布団に引っ張り込んでいた。

 彼は衣服をはぎ取られ、完全に生まれたままの姿である。



 抱きしめると彼は温かく、細い腕や足を思わず撫でまわしもてあそんでしまう。

 毛も艶やで撫でていると思わず愛おしくなる。


 私だって本来は女性にしか興味がない。

 しかし、彼は特別だった。


 そう、一目惚れと言うやつだ。


 正直葛藤は有った。

 しかし我慢が出来ず、彼に手を出してしまった。



 そして彼との関係はずっと続いている……



「酷いよね、私がいない間に……」


「いや、その、これは…… ほら、最近急に寒くなって来たからお互いに肌を重ねて温め合っていたんだよ」



 言い訳としては最低の部類だ。

 しかし私のミスではある。


 妻はふるふると震える。


 まずった。

 ほんとうにまずった。


 こんな事になるなら事前に準備をして抜かりなく事を進めるべきだった。



「酷い! まさかあなたたちが私を無視して二人だけで!! 私もお布団に入る!!」


「え、あ、いや、おまっ!?」



 服を脱ぎ布団にもぐり込んでくる彼女。

 良いのか?

 しかし彼女も彼に抱き着く。



「やっぱり温かいよね…… ずるいんだから、二人して」



 そう言いながら彼女は彼の頭にキスをする。

 ちょと驚いたが、私たちの関係はそんなものだ。


 多分、世間の人は理解してくれない人もいるだろう。

 しかし、幸せはその人の数だけ種類があると私は思う。


 私は妻を含め彼もいっしょに抱きしめる。



 出来ればすっとこのままの関係で……



 * * *



「で、いつになったら灯油買いに行くの?」


「いやまだ寒いんだよ~」


「そりゃぁ、居間にお布団持って来てくるまってりゃ温かいけど、電気代上がったからってエアコンも子供の部屋以外止めるの無理あるんじゃない? うちって石油ファンヒーター一個しか熱源ないんだよ?」


「あ~、電気カーペット壊れたし、こたつもとうの昔にただの台になっちまったからなぁ~。ほんと電気代何とかならないかなぁ?」


「ねぇねぇ、太陽光は?」


「おま、あれは初期投資が高い! それに十年ちょっとすれば発電パネル取り替えないと率が悪いし、パワコンだって十年もしたら変えないと。蓄電器だってだんだん性能落ちるんだぞ?」


「売電はもう駄目だしなぁ…… やっぱ石油ファンヒーターが一番いいのか、ねえ早く買って来て!」


「わんっ!」


「ほらこの子も早く買って来いって言ってるじゃん!」


「なんだよ、さっきまで服脱がせて一緒に布団にくるまってお腹コショコショしろって言ってたくせにぃ~。ああ、うちのわんこ可愛いなぁ♡」


「ずるいよねぇ~二人して布団で温まってるんだもん、居間に戻ってきたら寒いんで震えちゃうほどだもん!」


「今年は暖冬のはずなんだけど、たまに急に寒くなるよなぁ~」


「わんわんっ!」


「ほら早く灯油買って来て!」


「ううぅ、寒いんだよなぁ~」



 そう私はつぶやいてガソリンスタンドに灯油を買いに行くのだった。






 ……帰りにコンビニおでんか肉まん買ってこよっと!


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