第44話

やがて店に着くと、俺達は中に入った。すると一面に生写真が見える。櫻坂の写真はこの裏だが。それにしてもいつ見ても圧巻だな。、この生写真の数は。それにこれだけじゃなくてバラ売りでも売っている。これかこの店の売りでもある。まぁその他のグッツも売っているが、クジや景品で当たるやつ以外は大体持っているから生写真を主に見るんだが。


「すごい生写真多いね」

 

「これが一番売り上げいいだろうからな。生写真をコンプリートするのはかなりお金がかかるし」


俺もちょくちょくメルカリで買っているが、それでも全然コンプリートまではいっていない。好きになったのも最近だからな。それまではアニメのグッツをかなり集めていた。今はるんの虜だが。


「へぇーみんな可愛いね。本当にガチ恋はしてないんだよね?」


「してない。届かない存在を好きになったりはしないぞ。魅力はあるんだが、本当の性格を知らないから好きになったりはしないからな」


何事も裏がある。表がどんなによかろうと、本当の性格が良くないことなどよくあることだ。だから俺はアイドルを好きになったりはしない。別にアイドルにはテレビに本性を出さなければどんな性格をしても気にならないが。


「そいうもんなんだね。ガチ恋をしてる人ってアイドル好きだと多いから心配したよ」


「多いのは確かだな。それは単純に優しくされたからとか好きな人がいなかったりとかで勘違いをした場合が多いな」


モテない人は少し優しくされるだけで好きになってしまうからな。それがアイドルのような美少女にされたらなおさらな。こうなってほしいという願望が出てしまうのだ。俺は日向が好きだったから勘違いはなしないが。


「それは置いといて、とりあえずグッツを見よう」


「そうだね。どんなものがあるか楽しみだよ」


俺達は櫻坂のコーナに向かった。るんの生写真は高いな。買うんだけどな。お、サイン入りチェキもある100000万と高いが買うか株をやっていて良かったわ。


「あ、この子可愛い。やっぱり芸能人は違うね」


日向も負けてないと思うが。アイドルだと平均よりも上で、声優になったらトップクラスだろう。日向のルックスは一般人レベルじゃない。


「ねるか、かなり人気だぞ。声も天使だし」


「天使?推してるの?私のことは天使だと思ってないの?ネぇやっぱりガチ恋してるんじゃないの。許さない。私が干してやる」


「いや、声が好きなだけで推してはないぞ?義弘は推してるが。あと日向のことはもっと天使だと思っているぞ」


「ホントウカナ?ワタシヲネルヨリモスキ?」


目に光が灯ってないんだが。日向って独占欲結構あるんだな。そんなヤンデレな日向も好きだが。義弘みたいにヤンデレは無理だってならないからな。愛されるって幸せだし。義弘みたいなイケメンじゃないから女子とそんなにしゃべることないし。そこまで邪魔はされないだろう。


「好きだぞ。そもそもアイドルは推しとしてしか好きにならないからな」

 

すると目に光が灯った。良かった勘違いは解けたようだ。日向に別に好きな人がいるって思われて避けられることはきついし、俺は日向一筋だからな。日向以外の人を記憶がなくなったりでもしない限り俺は日向が好きだ。天使で可愛すぎるからな。


「それならいいけど。あんまりアイドルに夢中にならないでね」


「分かってるよ。それで日向はねるのグッツを買うのか?」


「うん、可愛いからね。声も聞いてみたいなー」


「それならDVDを見るか?」


「うんみたいよ」


俺はDVDを見る約束をして、俺はるんの生写真とキーホルダーとサイン入りチェキを買った。日向はねるの生写真とタオルを買っていた。買って出ようとすると、美少女がナンパされていた。


「僕と遊びませんか?」


「いや私そいうの結構なんで」

 

「秋葉なら楽しいところたくさん知ってるよ。きっと楽しめるよ」


どうやら美少女が一人でいるから同じオタクならチャンスがあるだろうと思ってナンパをされてるらしい。困っているし助けるか。


「あ、楓こっちだぞ」


俺はこの美少女の肩を叩いた。すると美少女は振り向いた。もちろん名前は適当だ。ナンパしていたやつはこっちを向いて悔しそうにしたあとリア充めといって店を出ていった。まぁ秋葉の中では俺はイケメンなほうだから追っ払えた。これが東京の中心地だとナンパを追っ払うことはできないだろうが。他にもイケメンはいるからな。俺は雰囲気イケメン系だからな。


「あのーありがとうございます」


見た感じ年下か。確かにナンパされるほど可愛いな。まぁ俺は助けたからってそのあと関係を持とうとは思わないが。どっかで見たことあるような。


「もしかしてるんか?」


「良く分かりましたね。森田ひかるです」


少しるんは驚いた表情をして、アイドルスマイルをした。まさかこんなところでるんに会えるとは。一緒に写真を撮ってほしいが、プライベートだから我慢するか。


「それじゃ今度は気を付けろよ。秋葉だと可愛いとすぐにナンパされるからな」


俺はそう言ってさっそうと立ち去ろうとした。日向もヤンデレ化する可能性があるし。アイドルは好きにはならないと言ったことを疑いを持つ可能性があるし。














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