第10話
学校内に入るとこそこそしてる話し声が聞こえた。気になった俺は聞き耳を立てて話を聞く。これがばれたら俺は人の秘密話を盗み聞きする変態だけどね!だから最新の注意を払う。
「知ってるー?九条さん和希くんに振られたらしいよー。まぁあんだけモテてれば他の美少女とは離れきゃいけないから当たり前だよね。卒業するタイミングで告白しないとか成績いいのに気づかないとはバカだよね。どんだけ自信を持っていたんだよとういう話だよねー」
「モテてるからって勘違いするなってことだよね」
マジかよ。日向が振られただと。俺の見立てなら確実に告白は成功するはずだった。和希も日向を好きだったはず。俺も勘違いしていたってことか?それか和希が勘違いさせる言動が多いってことか。今は何よりも日向の精神状態が心配だ。早く日向の元にいかなくては。
「冬優花ここからは一人で教室いってもらえるか?」
「日向ちゃんのことだね。いいよ行ってきな」
俺はそれを聞いて早足で中庭に向かった。日向は悲しくなると中庭に行く傾向がある。これ俺しかしらない情報だ。幼馴染みを長くやってるからそれくらいは分かる。
すらと中にはに日向を発見した。膝の上で拳を握っている。よほど悲しかったんだろう。俺もまさか振られるとは思ってなかった。だって和希も日向を好きな感じがでていたからだ。
「日向大丈夫か?」
「一豊くん私振られちゃったよ~」
顔を上げると悲しそうな笑顔を見せていた。涙は流れてないようだ。もう涙は枯れたのだろう。家で恐らくたくさん泣いたんだろうな。それでも悲しさは取れなかったか。
俺は日向の頭を俺の胸元に寄せて頭を撫でる。これは俺のキャラじゃないが今はそんなことを言ってる場合じゃない。
「日向どんなやつよりも可愛くて、優しくて、芯が通っていて、頭が良いだろ。こんなに魅力的なんだからすぐにいい人が現れるはずだ。模試いないなら俺が幸せにしてやる。日向はそれだけ魅力的なんだ。和希が後悔するくらいもっと魅力的になって見返そう」
「ありがとう~。一豊くん。一豊くんはずっと私のそばにいるよね~?」
「ああ、日向が離れない限りな」
すると日向は俺の腰に腕を回し、泣き始めた。安心した涙か、悲しさがまた溢れてきたか分からないが、しばらくこのままでいよう。幸いこの時間は中庭には誰もいないしな。
しばらく経ち日向は泣き止んだ。すると俺の無なもでほほを擦っている。なにこの可愛い生き物。俺はにやけながら頭を撫でる。あまりいすぎると遅刻するな。
「日向離れてくれ。遅刻してしまう」
「それはダメだね~それじゃ名残惜しいけどここで離れよっか~。後なんで奏ちゃんの匂いがついてるのか教えてもらうからね~」
目のハイライトをオフにしていった。いつもは土曜日に来てたからなにもいわれなかったが、今回は平日だからばれたか。ていうか俺制服になってからくっついてないはずなんだが。なんでくっついていたことが分かったの?ちょっと怖いんだが。
「分かったよ。だから目の光を戻してくれ。そのまま教室行くと怖がられるぞ」
「ふふふ周りなんかどうでもいいんだよ~。一豊くんがしっかり私を見てくれればね~。一豊くんは誰にも渡さないから~」
好きでもないのにヤンデレモードにはいるものなのか?いや好きではないが大切な幼馴染みだからヤンデレモードに入るのか。日向は独占欲があるからな。
「それじゃ行くぞ。嫌がらせされたらすぐ言えよ」
「分かったよ~。あんまり冬優花ちゃんとイチャイチャしないでね~。嫉妬でおかしくなりそうだから」
独占欲ありすぎだろ。今は俺が1番に立っているから日向のヤンデレが俺に向いているが、大切な人ができたらまた変わるだろう。それまでは俺がきちんと日向のヤンデレを受けよう。
俺達は別れてそれぞれの教室に入った。すると冬優花が心配そうにこっちに近づいてきた。
「大丈夫だった?日向ちゃん」
「多分な。ヤンデレ化してたが」
「それ大丈夫じゃなくない。だってそれ一豊にいってるでしょ」
「良く分かったな。好きなやつが和希だからそっちに行く方を予想すると思っていたわ」
「だって前から一豊に女子が仲良くしないようにしてたし」
だから俺と話す女子最初はいたけど、どんどんいなくなっていったのか。でもなんで和希にはヤンデレ発動しなかったんだ?こいうのって普通好きな人に発動するもんじゃないのか?
「まぁいいや。とりあえず精神状態は落ち着いたから大丈夫だろ」
「、、、、好きになるのも時間の問題か。早くアピールして落とさないと」
「冬優花なんか言ったか?」
「なんでもないよ。それにしてもヤンデレなんてまた厄介なことになったねぇー」
「まぁそれが他の誰かにいかなきゃ問題ないだろ。俺はヤンデレを向けられて特別感がでて嬉しいし」
「ヤンデレは何をするか分からないよ。私の友達監禁してたし」
さすがにそこまではしないだろ。日向は優しいだから。しないよね?なんかちょっと不安になってきた。ヤンデレは行動を読めないからな。他の人に被害がいかなきゃいいか。
そう思っていると、朝礼が鳴り、先生が入ってきてホームルームが始まった。俺は少し不安になりながらも先生の適当な話しを聞いていた。
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