第17話 屋上露天風呂のスリル!

 そう、あれはソージの家に泊まった2日目の夜だった。事件は、屋上露天風呂で起こったのだった。

 

 満天の星空を眺めながら、あたしは先に温泉に浸かった。

 

 後からソージが入って来た。

 

 その時は、“霧の露天風呂スイッチ”で真っ白だったので、ソージの体は見えなかった。しかし、その後“全自動の空調ボタン”を押すと、あたりの霧はなくなった。

 再び、銀河の星を眺めることができた。





 あたしは、この不思議なボタンの虜になってしまった。


 幸いにも残り1つのボタンは、あたしの近くにある。ソージは、遠慮してなのか、離れた向こう側の縁にいる。




『今だ!』




 躊躇いもなく、“浴槽移動ボタン”を押した。



 あたしの手の動きを見て、ソージは血相を変えて浴槽の中を急ぎ足で歩き、あたしに近づいて来た。


「嬉しかった……ソージが手の届くところに来る!」


 あたしの願いは叶った。それどころか、ソージは、裸のあたしにしがみ付いてきたのだ。もちろんソージも裸である。








 浴槽が、屋上からはみ出した時、60メートル下の車道の車が、まるで小さな石ころに見えた。あたしは、平気だったが、ソージは目をつぶって震えていた。


≪チェッ!目をつぶったら見えないのに!≫


 仕方ないので、あたしは震えるソージに体を押し付けた。少しは、安心するだろうと思った。


 しかし、ソージはそのまま眠りに落ちた。いや、気を失ってしまったのだ。



 あたしは、ソージをお姫様だっこして風呂からあがった。あたしの力なら、4人ぐらいは平気で持てる。

 だから、ソージ1人ぐらいなら、片手で持てるのだが、あえて両手ですくい上げた。


 お姫様だっこなので、仰向けにして抱えた。


「うふっ!」


 そのまま、脱衣所で体を拭き、浴衣だけを着せた。よく拭いた。後ろも前も、よく拭いた。濡れたままにして風邪を引いたら困るので、よく拭いた。


「うふっ!!」


 それでも起きないので、ベッドの中に入れて布団を掛けて、そのまま寝ることにした。


『大丈夫!息はあるからソージは平気………でも、体調が悪化したら困る』


 あたしは、仕方なく!……ソージの心音を確認するために、抱き着いて寝ることにした。ソージが心配だから、仕方なくだ!仕方なく、ソージに触っていないと大変なことになる。


 ソージのために、体に触って寝ることにした。いい気持ちだああああ。


 はあぁぁぁぁーーー╮(╯▽╰)╭



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次回は、「ちょっとイケナイ娘!」をお送りします。


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