第3話 友達のジョンちゃん 🍌

 みんなーー元気?ベルでーす!

 ねえ、聞いてくれる?


 実はね、あたしね~ジョンちゃんに会ったのは、つい最近なのよね~。


 ああ、ごめん、ごめん。あたしは、ベルよ!出向エルフのベルでーす!

 そうなの、あたしはエルフなの!…………そして、ジョンちゃんもエルフなの!


 だ~か~ら、お互い年齢を言い合ってないのよね~。だって、エルフはね、年齢と見た目が、ぜっ~たい、合わないのよ。

 あたしは、225歳。ジョンちゃんは?



 あたしの予想では、たぶん、…………50歳にもなってないと思うわ!



 だって、あたしがジョンちゃんに会ったのは、10年くらい前だもん!


 向こうの世界で、あたしがまだこの仕事をする前に、ダンジョンで魔物をやっつけて遊んでいたのよ。そしたら、あの子がダンジョンに迷い込んで来たの。


 魔物が出てきたら、怖がって泣いてたわ。


 他に誰もいなかったから、たぶん地上で遊んでいて、間違ってダンジョンに入っちゃったのね。


 仕方がないから、あたしが助けてダンジョンから出してあげたのよ。それからね、ちょくちょく会うようになったのは…。


 あたしが警備会社にスカウトされたら、後からあの子もやって来たの。でもね、あの子、そんなに強くないのよ。


 力は、弱いの。

 暗いとこが、苦手なの。

 お化けが、怖いの。


 だから、警備会社では、戦闘班じゃなくて、経理班だったわ。あたしの出した領収書とかによく文句付けて、威張ってたなあ。


「バナナは、経費で落ちません!」


 ちょっとぐらい、いいのにって思ったけど、逆らわないようにしたの?どうしてかって?だって、彼女、すぐ泣くんだもん。ビェビェ~って、泣くのよ!


 絶対にまだ子どもよ!


 でもね~、あたしの方が、ちょっとだけお姉さんだから、細かいことは気にしないことにしたの。




 ジョンちゃんが、幼馴染だって言うんだから、もうそれでいいじゃない。

 ………ね!あたしも、その方がやりやすいし。


 お陰で、仲良くできたし。


 たぶん、まだ子どもだから、あたしに憧れたんだわよね~。異世界(こっちの世界)まで、ついて来ちゃったんだもん。


※確認だけど………あたし達エルフにしたら、こっちの世界が異世界だからね!


 まあ、仲良くやるわよ………だって、あたしは、お姉さんなんだもん!


※金曜夜に比べたら、あたしだって、まだまだ子どもよね。



▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽


次回は「ジョンちゃんのお気に入り」をお送ります。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る