第139話 32『森の異変』

 イジがアンナリーナの従魔になってから、生活のすべてが以前とは様変わりした。

 特に食事が顕著だ。


 以前の、ゴブリンの村にいた時は、群れの最下位だったイジには食事が与えられないことも多く、それが彼の貧弱な体型の原因だったのだが。


 アンナリーナは食べきれないほどの食事を与えてくれる。

 それも、見たこともない美味しい料理を惜しみなく。

 今日は【カレー】という、はっきり言ってあまり見栄えの良くないものだったが、一口含んだ途端そのような思いは吹き飛び、気がつくとかき込んでいた。

 夢中で食べて、おかわりすること3回。


「たくさん食べて大きくなろうね」


 アンナリーナは屈託なく笑っている。



 アンナリーナはイジのため、そしてこれから彼のあとに続くだろう、新しい従魔たちのためにツリーハウスに部屋を増設し、トレーニングルームを設置した。

 今のイジは弱すぎて、たとえランニングでも結界の外に出す事が出来ない。

 ならば、とアンナリーナは張り切った。

 クロスウォーカーやバイク、ランニングマシンなどのジムに設置してあるようなマシンを購入し、イジに説明する。

 このトレーニングと剣の素振り、そして食事にアンナリーナからの供与によるステータスのアップ。

 しばらくはこうして様子を見ていくつもりだ。



 夜はツリーハウスとテントに分かれて休む。

 その前にアンナリーナは自分と従魔たちのステータスアップを始めた。



「【ギフト】関節技

 そして、ステータスオープン」


 アンナリーナ 14才

 職業 薬師、錬金術師、賢者の弟子

 

 体力値 104857600

 魔力値 278748568320047/278748568322048

(ステータス鑑定に1使用、関節技に2000使用)


 ギフト(スキル) ギフト(贈り物)

[一日に一度、望むスキルとそれによって起きる事象を供与する]

 調薬

 鑑定

 魔力倍増・継続 (12日間継続)

 錬金術(調合、乾燥、粉砕、分離、抽出、時間促進)

 身体強化

 探索(探求、探究)

 水魔法(ウォーター、水球、ウォーターカッター)

 生活魔法(ライト、洗浄クリーン、修理リペア、ファイア、料理、血抜き、発酵)

 隠形(透明化、気配掩蔽、気配察知、危機察知、索敵)

 飛行(空中浮遊、空中停止)

 加温(沸騰)

 治癒(体力回復、魔力回復、解毒、麻痺解除、状態異常回復、石化解除)

 風魔法(ウインド、エアカッター、エアスラッシュ、ウインドアロー、トルネード、サファケイト)

 冷凍(凍結乾燥粉砕フリーズドライ)

 時間魔法(時間短縮、時間停止、成長促進、熟成)

 体力倍増・継続(12日間継続)

 撹拌

 圧縮

 結界

 異空間収納(インベントリ、時間経過無し、収納無限、インデックス)

 凝血

 遠見

 夜目

 解析スキャン

 魔法陣

 マップ

 裁縫

 編み物

 刺繍

 ボビンレース

 検索

 隠蔽(偽造)

 従魔術ティム

 体力値供与

 細工

 再構築

 無詠唱

 悪意察知

 魔力値供与

 空間魔法(転移)

 異世界買物

 位置特定

 異空間魔法(空間接続、空間増設)

 宣誓魔法

 火魔法(火球、エクスプロージョン、ファイアアロー、ファイアストーム、ボルケーノ、インフェルノ]

 氷魔法(氷球、アイスアロー、アイススピア、フリーズストーム、アブソリュートゼロ、ダイヤモンドダスト)

 スキル供与

 ガラス工芸

 付与魔法(異空間付与、各種強化付与、各種弱体化付与、その他別途記載)

 革細工

 彫金

 雷魔法(雷球、ライトニングアロー、サンダーボルト、ライトニングバースト、ディバインスレイブ、ディスタージ、マイクロウェーブ)

 回避

 召喚魔法

 封印

 死霊魔法

 光魔法(別途記載)

 土魔法(別途記載)

 水魔法(上級、フラッド、ディープフラッド、デリュージュ、アクアブレード、タイダルウェーブ、アクアビーム、ダークストリーム)

 闇魔法(別途記載)

 緑魔法(別途記載)

 溶解魔法(別途記載)

 精密操作

 精神強化

 魔法効果拡大

 魔法範囲拡大

 威嚇

 毒魔法

 麻痺魔法

 水泳

 追跡

 馬術

 格闘術

 剣術

 槍

 投槍

 蹴り

 関節技




「【体力値供与】【魔力値供与】【スキル供与】毒魔法

 そして【鑑定】」


 セト(ブラックリザード変異種、雄)

 体力値 4831500

 魔力値 408800

 取得スキル

 火魔法(火球、エクスプロージョン、ファイアアロー、ファイアストーム、ボルケーノ、インフェルノ)

 水魔法(水球、ウォーターカッター、フラッド、ディープフラッド、デリュージュ、アクアブレード、タイダルウェーブ、アクアビーム、ダークストリーム)

 風魔法(ウインド、エアカッター、エアスラッシュ、ウインドアロー、トルネード、サファケイト)

 氷魔法(氷球、アイスアロー、アイススピア、フリーズストーム、アブソリュートゼロ、ダイヤモンドダスト)

 雷魔法(雷球、ライトニングアロー、サンダーボルト、ライトニングバースト、ディバインスレイブ、ディスタージ、マイクロウェーブ)

 身体強化

 追跡

 結界

 魔法効果拡大

 魔法範囲拡大

 威嚇

 毒魔法




「【体力値供与】【魔力値供与】【スキル供与】精密操作

 そして【鑑定】」


 アマル(ジェリーフィッシュ、無性)

 体力値 2589

 魔力値 1525

 取得スキル

 お手伝い

 洗浄クリーン

 毒魔法

 麻痺魔法

 防御

 加温(沸騰)

 水魔法(ウォーター、水球、ウォーターカッター)

 生活魔法(ライト、洗浄クリーン、修理リペア、ファイア、料理、血抜き、発酵)

 精密操作




「【体力値供与】【魔力値供与】

【スキル供与】蹴り

 そして【鑑定】」


 イジ(ゴブリン 雄、隻眼)

 体力値 569

 魔力値 100

 取得スキル

 夜目

 遠見

 防御

 格闘術

 剣術

 槍

 投槍

 蹴り



 イジはアマルとともにツリーハウスに引き揚げ、アンナリーナはセトとテントで過ごしていた。

 入浴はあちらで済ませ、もう寝ようという時、かすかな振動を感じて頭を巡らせる。


「?」


 意識して感じてみると、ドン、ドーンと続いている。


「何かしら?」


「アルジ、オレガミテクル」


「あ、待って。私も行く」


 パジャマの上にガウンを着て慌てて飛び出すと、目の前の光景に我が目を疑った。


「何、これ……?」


 テントの結界に森猪が次から次へと突進してくる。

 結界に阻まれ、ぶち当たって停止した森猪の上にさらに積み上がっていく森猪の山。

 未だ、突進が続いているので結界を解くわけにもいかず、小さく隙間を開けて結界の外に出て、血抜きで仕留めていく。

 こちらに向かってくる群れを片っ端から処理していって感じる、拭い得ない違和感。


「何か、変ね……」

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