誰も知らない
三上 鯛
1
[録音開始]
「はい、あの村には私が九つの時まで住んでいました。いつもどこが湿っぽい暗い雰囲気の村でしたが、なぜか皆お金を持っていたとおもいます、神主様一族を筆頭に。えぇと、大人たちは働いていなくて? 田畑もありましたがほとんど荒れ地で、子供ながらに不思議に思いました。えぇ、よくご存知ですね。あの村には沢山やってはいけない事とやらなければいけない事と言い伝えがありました。いちばん大事な掟は確か、二つ、ありました。一つは村の神社近くの池には行ってはいけない、というものです。まぁ、その池は神主様一族の家に囲まれていて蟻ン子一匹入れなかったんですけれど。二つ目は村の祭には必ず参加すること。え、祭ですか? えぇと……神主様が祝詞を唱えて、それで年に一度しか飲めない水を飲んで……。すいません。そこからはいつも曖昧で。はい、祭の記憶はあんまり。あ、神社がキラキラ光っていたと思います。えぇとレーザー光みたいに?」
[録音終了](備考:■■■■のため回答は事実と異なる可能性がある。)
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