第二章 登場人物評価と登場魔術に関する資料
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1.今回現れた秘匿課及び違法術師の評価に関する南極卿財団秘匿資料より一部抜粋。
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日本国魔界府府庁秘匿一課所属、神祇寮特別代理人ならびに祓魔部特務官 有穂歩(21) 特異指定存在
B評:≪特異指定評価≫:現行の近代兵器では核ミサイル、大型爆弾、大口径徹甲弾による戦車砲砲撃以外に彼を傷つける手段はない。核ミサイルにおいても彼に致命傷を与えることは難しいと考えられる。その膨大な魔力は彼の身体を常に強靭に守り、異常な回復力をもたらしている。呪物による攻撃は魔力と魔力のぶつかり合いの側面が大きいが、彼は長い年月を経た強力な呪いに対しても対抗できうる能力を有している。魔力の傾斜による防護をする必要性は少ないながらも一定以上の防護技巧は有している。彼の魔力の込められた拳は戦車砲の一撃に匹敵する。単純な衝撃波による術でさえも最大の出力ならば地震による大規模災害を発生させることも可能。
I評:≪三級評価≫:自身の魔術以外に対しての知識量はやや少なく、介入術式を扱う術師ながら、自身の魔力によって押し通す場面が多い。基本的な知識はほとんどすべて持ち合わせているが、応用に関して一線級の者とは比べるべくもない。
M評:≪特異指定評価≫:無尽蔵に近しい60トン級の魔力を有しており、日本のほぼ全ての大規模封印術式の魔力供給を定期的に行っている。その魔力によって通常ならば考えられない世界規模の認識災害を術に組み込むことに成功した。世界最高水準の最大魔力量を持つ。
S評:≪三級評価≫:感知能力に関しては半径十数メートル程度。
P評:≪三級評価≫:先天的直観、後天的直観、共に成長性は低い。殺気への反応力は通例の魔術師程度。
T評:≪第一級評価≫:習熟した魔力の操作により、感知能力に依らない魔力消耗の省力化の果てに世界規模の認識災害を自在な術を可能にした。また境界術に関しても世界の頂点であり、自身の身体を離れた魔力に対しての操作、魔術的結合の操作、思考の制御能力は極めて優れている。
総合:≪特異指定存在≫
魔力最大量:5.9742*10^7g
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日本国魔界府府庁秘匿一課所属、神祇寮特別代理人ならびに神祇寮祓魔部特務官 宇美部 来希(21) 第一級魔術師免許特例取得。
B評:≪特別指定級評価≫:在穂と共に居るためあまり戦闘をしないが、格闘においては有穂を超える。肉体の強靭さについても持ち前の感知能力を駆使して細胞単位での効率的な魔力利用により、有穂に肉薄する頑強さと回復力を有している。多正面戦闘においてはリソース管理の限界から突破されかねないが、30人程度の武装集団ならば数秒で殺せる。訓練を受けた軍人による抜け目のない魔力を帯びた機銃による一斉掃射と魔導手榴弾、野砲砲撃によってようやく十秒以上の足止めが可能。
I評:≪第一級級評価≫:神祇寮高官としての広い知識と複数の言語を操る。霊魂操作術は本来、神道において禁厭の術であり、霊魂を退避することが基本である。だが反転式と他霊媒術の修練、収集により宇美部来希は神道系の霊魂操作術を完成させた。彼の操る霊魂術式の多くは独自に成立させたものである。
M評:≪二級評価≫:魔力量に関しては百グラム規模を操るにとどまるが、感知能力と操作技術により、戦闘において特別指定級の上位の実力を有する。
S評:≪特異指定存在評価≫:日本全国を知覚することが可能であり、世界屈指の感知の才能を持つ。普段は制御しており半径200メートル程度である。魔力感知により優れた効率で魔術使用が可能。心眼術を超えた天性の才、それを更に昇華したものである。
P評:≪一級評価≫:先見能力が高い。宇美部の秘伝の修練技法により予知能力の訓練を幼少より行い、通常の術師以上の先見能力を有する。本来の彼の才としては予知・予見能力は習熟が難しい。
T評:≪特別指定級評価≫:知覚能力の高さにより精密な魔力操作が可能になり、無駄なく魔術を扱うが、それと同じく習熟された思考の制御と術式の練度、魔術的結合の扱いは第一級を超えた技能を有している。この技量から無言魔術も可能。
総合:≪第一級免許特例取得・特別指定級相当術師≫:試験なく免許を取得。
魔力最大量:1.1*10^2g
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指定違法団体『皮膚の兄弟団』暗殺集団『皮膚なき手の指』・筆頭 アリ・ケマル(38)
B評:≪特別指定級評価≫:第一級以下の術師は戦闘を回避することが指示される。魔術に関係ないナイフによる人体解体の妙技は血の滴ることなく人間の皮を一瞬で剥ぎ取るほどである。また強力かつ魔力量が異常に少ない術式を扱う。他人と自分の皮や臓器を操るほか瞬間移動的な術を扱う、現代魔術においては解析されていない術式である。
I評:≪第一級評価≫:異形の偶像や神々を崇拝する宗教結社の所属であり、他団体とも関連性が強いため、現代魔術の枠組みに捕らわれないプリミティブな術に対する造詣が深い。
M評:≪第一級評価≫:魔力量に関しては申し分ないほどに練りあげられている。先天的に魔力量が低い生まれではあるものの、修練によりかなり拡張されている。
S評:≪三級評価≫:半径数メートル程度の感知能力。薄い霊体は知覚できない。
P評:≪三級評価≫:弾道予測は可能。
T評:≪第一級評価≫:戦闘において防御のための魔力制御と攻撃のための魔力集中が流麗である。術式に関しての習熟は少々落ちるものの、ナイフの技術をメインの武器としているため戦闘においてのハンデになることはない。また特異な術式であるため基本的に介入術は受け付けない。
総合評価:≪特別指定級相当違法術師≫:特別指定級による交戦回数25回、捕縛不能、第一級以下の術師の交戦の禁止が知られる術師。彼を筆頭とする違法団体『皮膚の兄弟団』下部組織『皮膚なき手の指』は十人の精鋭による暗殺傭兵組織は魔界の傭兵業種のなかでも知名度が高い。主に活動場所はトルコ共和国であるが世界各地で活動が確認されている。
最大魔力量:1.17*10^3
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日本国魔界府外部支局『伏魔殿』暦祭儀長・土御門家当主 土御門春奈(28) 第一級魔術師免許特例取得
B評:≪第一級評価≫:同時に多数の式神を操作・誘導し制御する能力は特筆に値する。また、冥道十二神による自他の魔力を補助する術式、式神をより強力なものとする蠱毒を攻撃と併用する術式など既存の術式を昇華する発想が見られる。本体の格闘性能はやや低い。
I評:≪第二級評価≫:伏魔殿の膨大な蔵書に加え、土御門家に伝えられる冥道十二神の術式の秘伝を習得している。
M評:≪二級評価≫:伝統的な修練による魔力量の拡張により二級相当の力量を習得している。
S評:≪第一級評価≫:半径200メートルを網羅する感知圏はその内部での式神の命令による自律行動での正確な作戦遂行を可能にしている。
P評:≪二級評価≫:伝統的な修練により感知能力に付随する形の予知能力を伸ばしている。弾道予測、軌道予測に準ずるもので、長期的な予知には占術が利用される。神祇寮占術局程度の予知能力は有している。暦術による補助など様々な補助術式を持つ。
T評:≪二級評価≫:伝統的な魔力操作の修練によって複雑な制御を可能にしているが、発展的な応用、圧倒的な強者に勝る経験、型を超えた実践力に乏しい。
総合評価:≪第一級免許特例取得・第一級相当術師≫:術式の相性と準備によって特別指定級相当の実力を発揮するが全体を俯瞰して見ると一級下位の実力と言える。伏魔殿は日本魔界府議会に議席を持つ組織であり、日本古来の秘匿を守る陰陽師の集団として戦後の日本魔界府成立に貢献した。現在、伏魔殿は賀茂家によって運営されており、土御門家の権威はその下にとどまっている。伏魔殿陰陽師の各名家は京都の伏魔殿付近の同じ境界に住居を持つことからつながりが強いが、それ故の軋轢もまた強く、賀茂家次期当主の横暴が噂されている。動向に注視されたし。
最大魔力量:2.1*10^2
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古僧會、僧兵部真打 眞如(69) (本名:大久津螺斗(おおく つらと))
B評:≪特別指定級評価≫:古僧會僧兵部において武器を使わない唯一の僧兵として恐れられた男。即席の曼荼羅結界は古僧會の中でも扱えるものは極めて少ない。徒手空拳の達人であり、結界術の達人でもある。彼の手にかかった陰陽師、神祇官は数多いが、伏魔殿管理家である賀茂家当主・賀茂劉醐と長く因縁を持つ。老齢による衰えからか実働部隊を半年ほど離れていたが記録からも戦闘能力の衰えは見られない。
I評:≪第一級評価≫:古僧會僧兵部の最古参であり、幾つかの禁術、禁書、秘伝の閲覧を許されている。
M評:≪特別指定級評価≫:40年近くかけて拡張された魔力は元来の魔力的素質を更に拡大している。
S評:≪三級評価≫:感知能力に関しては結界術によって補助されていることに順応しており、範囲も十メートル程度にとどまる。
P評:≪第一級評価≫:予知能力は天性のものが魔力拡張と修練により拡張され、危機の予知が自覚的に行えるほどに昇華されている。
T評:≪第一級評価≫:瞬時に結界を作成し、戦闘を続けながら術式を改変していく技量は特筆すべき点である。複数の結界術式を複数の結界に適宜注入し利用することは理論的には可能であるが夥しい情報量に対する思考の制御と魔力の制御が常人には耐え難い難易度を誇る。それを戦闘と言う不確定要素と万全でない体制が当たり前の環境で運用できることは魔力操作技術の達人とも言わざるを得ない。
総合評価:≪特別指定級相当神聖・違法術師≫:指定神聖団体『古僧會』の武装部門『僧兵部』の真打。30年ほど前から頭角を現し、20年以上日本の伏魔殿陰陽師と争ってきた。
『古僧會』は近年、幹部の刷新があったようで旧来の方針である伏魔殿・魔界府との対立から、国連秘匿保障委員会憲章による条約の完全放棄と同じ方針を持つ違法団体との協力路線へ変更。これにより『僧兵部』の動きが活発化した。2021年8月の秘匿課との交戦の後、長らく姿を見せていなかったが、今回前線へ復帰した。元は一般の浄土真宗系寺社の生まれで、家業を引き継いだが妻子を空き巣に入った男に殺傷された。それ以降『古僧會』にて修練を受けた記録があり、妻子を殺した男が独房内で精神を病み、異常な術を使う僧侶の夢を度々見る事件が多発。その男は釈放後、『古僧會』にて眞如に弟子入りし、現在も『鴦掘』として僧兵部にいる。
最大魔力量:1.170*10^4g
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魔界の傭兵 ドロア・マエスティティー(29)
B面:≪特別指定級評価≫:傭兵稼業3年目にして全魔界指名手配。隠者の薔薇の依頼を最近受けるようになり更に頭角を現す。黄金の教示以外では隠者の薔薇の中でも特に上位の強さと言える。冷徹な判断能力と魔力による格闘能力、半霊体との完璧な連携により過去以上に強力な存在と化した。元は第一級評価。
I面:≪特別指定級評価≫:古くから心眼術を操る魔界の村に生まれ、幼い頃から自らの身体に心眼術式が刻まれていることに加え、隠者の薔薇の書庫を特別に借りる契約を行い、霊魂操作・交信術と心眼術式に造詣が深い。またアジア地域の修行僧の修練を会得した実績も持つ。6年前まで呪医として医療を行っていたため呪医医学にも精通。
M面:≪第一級評価≫:幼少期より魔術的修練を施され育ったために最大魔力量も多い。
S面:≪特別指定級評価/不能評価≫:本来彼は心眼術式に長け、その感知能力を大幅に向上させ、半径20キロメートルの感知範囲や、人体の細胞一つ一つの代謝に対応し自身の魔力効率を異常なまでに補強することや異常部位を組織レベルで発見することが可能であった。しかし彼の邪眼術はそれを封印することで不能にし、強力な術式へと変化させるものになっているため彼は視覚・聴覚・魔術感知能力の三つを封印した。
P面:≪第一級評価/不能評価≫:心眼術式により相手の魔力傾斜を見ることでどのような動きや攻撃を行うかを手に取るように予測できた。それにより、本来の予知性能が三級程度なのを補っていたが邪眼術式の効果によりそれを封印。何の予測も予知も不能になった。
T面:≪第一級評価/二級評価≫:心眼術により細かな魔力操作を補っていたほか、介入術や術式の保護にも細かな操作が可能であり、本来三級相当であった実力を向上させていた。現在は純粋な実力により魔力操作を行っている。
総合:≪特別指定級相当違法術師≫:違法術師において特別指定級相当は各団体の精鋭の長、黄金の教示などに限られ、傭兵としては全世界で数名の上位層である。元は寒村で育ったが、異端として家族が迫害に遭い、離散、以降はしがない呪医として各地を放浪し、人々に疑似医療薬品などを売りつけていたが、5年前、ロシア・ウラル山脈方面に二度目の来訪のち、突如チベットで2年間の修行を遂げ、傭兵として急成長を遂げた。
最大魔力量:1.3*10^3g
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アモル・リュボーフィ(享年15(現在18))
B面:≪不能評価≫:この種の霊体はより強力な霊体化を行わない限りこの世界に干渉することは難しい。
I面:≪三級評価≫:ドロアと出会うまで完全に世俗の人間であったため知識は少なかったが、ドロアと共に多くの知識を得た。
M面:≪三級評価≫:現在の霊体はドロアの魔力を基に生成されている。世俗出身であるためにまだ最大魔力量は低い。
S面:≪第一級評価≫:霊体により感知能力の性能が向上。半径100メートル圏内の完全感知能力を有し、魔力感知で視覚聴覚を再現している。
P面:≪二級評価≫:霊体により予知能力も向上。弾道予測、危機察知が数秒先まで行える。
T面:≪四級評価≫:霊体を動かすことにより魔力操作を行えるようになったが現代魔術を行うにまでは至っていない。
総合:≪五級相当霊体≫:基本的に人を害することは難しい。ロシア・ウラル山脈地方の寒村出身。体は特殊な箱に納められ脳の機能を維持したまま休眠状態にあるようだ。
最大魔力量:6.1*10
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オニ(渡辺常男(28))
B面:≪特別指定級評価≫:通常兵器での攻撃はあまり意味をなさない。無限に近しい破戒衝動が彼を動かし、千年に渡る人々の畏怖が彼の力を強力なものに仕立て上げている。異常な強度は魔術的な攻撃に対する抵抗力なども含まれている。また、格闘能力についても極めて高く、強靭な肉体も相まって一対一、一対多数においても攻略は至難の相手である。怨霊の受肉体は霊魂の性質にもよるが、多くの場合霊体が肉体に憑依・再構成を行っているため、生命体としては異常な回復能力を有する。塵灰からの復活を果たすような怨霊の多くは厳重な封印が為されているためほとんどみられることはないが、切り取られた肉体を遠隔操作することは二百年規模の怨霊などには可能な芸当である。
I面:≪二級評価≫:経験則から呪物と魔術物品の扱いに慣れており、呪物化を行った術式への造詣も深い。古い時代の術式ならばいくらか扱える。
M面:≪第一級評価≫:受肉体として復活した影響により強力な魔力を有する。
S面:≪四級評価≫:数メートル程度の感知能力。
P面:≪四級評価≫:戦闘での危機察知に留まる。
T面:≪三級評価≫:複雑な術式運用はできない。
総合:≪強度メガトン級秘匿物品/特別指定級相当違法術師≫:他の受肉体や鬼同様、人間を食らうことができ、術師を取り込んだ際の成長は著しい。また、受肉体は元となる犠牲者の人格が呪物に込められた人格と混ざり合い混乱する場合があるが、彼の場合、双方が良くかみ合い、怒りを増幅させているようだ。
元となる呪物は『茨木童子の腕』と称されるが、茨木童子が渡辺綱に腕を切り落とされる逸話は原点とされる書物では茨木童子の登場はなく、無関係の無名の鬼が登場する。彼自身も茨木童子の信仰により人格が混ざり掛けてはいるが、本性は平安期、一条戻橋の元で女に変装し男を襲った呪術師崩れの名もなき野盗であり、それが混同された茨木童子への信仰心を一部吸収することで『物品強度;メガトン級』の秘匿物品が発生した。
受肉の儀に関しては宗派や術師によって独自の儀式が利用されるが、『おがみ衆』独自のものであるようだがアメリカ合衆国、マサチューセッツ州の一部や世界各地にて類似した黒魔術サバトの儀が繰り返されている。受肉の儀に利用された物品の一つに『黒山羊』があるようで、二者はそれがきっかけで強い魔術的関連性を有していたようだ。
最大魔力量:1.5*10^3g
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2.今回使用された魔術について。南極卿財団秘匿資料・魔術事典より抜粋。
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・A群/強度:災厄級/魔術言語媒体・儀式媒体/精神操作術など。使用者・作成者:在穂歩(特異存在指定術師・日本神祇寮長官付特別警戒術師・日本魔界府秘匿1課外部特派員)
『饒速日命十種神宝神法魂鎮祭(にぎはやひのみこととくさのかんだからのしんほうたましいしずめのまつり)』【なつまつり (Can‘t take my eyes off you)】
儀式豪族『物部氏』の祖先神饒速日命がもたらしたという宝『十種神宝』を象徴した図と共に『ひと、ふた、み、よ、いつ、む、なな、や、ここの、たり。ふるべゆらゆら。』と唱え図式を震わすことで完成する祈祷法。詠唱破棄や簡易詠唱が多様で十種の宝それぞれに能力が設定できる。物部氏の血族とされる人間にはより強力にこの詠唱が能力を発揮する。
加えて、魔術的結合を飛ばすなどするよりも熟練した有穂の境界術により特殊な結界術や有穂歩に比肩する魔力量を持つ者以外は術式から逃れるすべを失う。
・『完全詠唱』の際は全人類規模の認識災害が発生し、彼以外が認識不可能な幻覚が発生する。効果は半永久的であり、十種の魔術的結合によって彼自身もしくはペンダントに刻まれる紋章に介入しない限り術者以外に解除することは不可能。
消費魔力量:最大瞬間出力・1t/常時出力・2kg毎秒
・『完全解放』:能力の真の効能を解放する。本来、この祭りは生命を復活させる儀式であった。布留部由良由良と布留部は魂が揺れる様子を表す擬音と目されており、それを鎮め、あるべき形もしくはあってほしい形にすることがこの祭りの目的である。能力解放には鎮魂祭祝詞全文を詠みあげる必要がある。解放後は全魔力を消費し生命を復活させる。消耗が激しく、術者が万全でない場合や魔力が足りなかった場合、術者は絶命する可能性が高い。
・澳津鏡『おきつかがみ、御霊振、ふるべゆらゆら。』強度:メガトン級/介入・反射術・力学操作術・精神操作術
二つの能力がある。一つは透明な板状のバリアを発生させ魔術的結合を反射させる。もう一つは同様の透明な板状のバリアを発生させ物理攻撃を反射させる。
消費魔力量:最大瞬間出力(生成時)・2kg/常時出力・100g毎秒
・辺津鏡『へつかがみ、御霊振、ふるべゆらゆら。』強度:メガトン級/神経操作術
対象の神経伝達を操作する。術者の魔力次第であるが、声の届くすべての範囲に魔術的結合を飛ばし混線させる。基本的に対象の感覚を乱雑につなぐが、効果範囲外に出れば効果は消える。効果範囲にいる間は一分ごとに右手・左手・右足・左足の感覚を交換する。また、多重に強力な魔術的結合を結ぶことで人間を人形のように自在に操れる。境界術式に組み込めるが、多重結合には特殊な操作が必要。
消費魔力量:最大瞬間出力(効果作動時)・9109.387g/常時出力・910.9387g毎秒
・生玉『いきたま、御霊振、ふるべゆらゆら。』強度:メガトン級/精神操作術
対象と自分自身の傷が回復したと思わせる。痛み・傷口・病理的変化を気づかせない。戦闘中であれば相手は解除するまで自らのダメージに絶命しない限り気付かない。術者は把握可能。併用不可。境界術式に組み込める。
消費魔力量:最大瞬間出力(効果作動時)・9109.387g/常時出力・910.9387g毎秒
・死反玉『まかるかえしのたま、御霊振、ふるべゆらゆら。』強度:メガトン級/精神操作術
対象に凄まじい激痛と死傷を幻覚で再現する。併用不可。境界術式に組み込める。
消費魔力量:最大瞬間出力(効果作動時)・9109.387g/常時出力・910.9387g毎秒
・八握剣『やつかのつるぎ、御霊振、ふるべゆらゆら。』強度:メガトン級(完全詠唱時、核融合級)/精神操作術・力学操作術/物質生成術・物質消滅術
あらゆるものを切り伏せる剣状の魔力を発現させる。その一部はすべてのものを切る幻覚であるが、任意に力学的エネルギーベクトルを発生させ疑似的に剣を再現できる。これにより剣戟や、つばぜり合いも可能であり、何も切らない状態で切る幻覚を見せ、あたかも切ったかのように力学的な攻撃を加えることもできる。そもそも強度がメガトン級なため、力学的エネルギーベクトルの仕事量は数千キログラムの重量感を持つ。
また、完全詠唱の際には実在の刃500g分を発生させる。刃は自在に変形が可能であり呪物として魔力を帯びる。刃を消滅させる際に対消滅の衝撃波が発生する。
消費魔力量:最大瞬間出力(効果作動時)・9109.387g/常時出力・910.9387g毎秒
・足玉『たるたま、御霊振、ふるべゆらゆら。』強度:メガトン級/精神操作術
四肢欠損の幻覚。術者に近づくほどに右手、右足、左足、右足をランダムに欠損する幻覚を見る。境界術式に組み込める。
消費魔力量:最大瞬間出力(効果作動時)・9109.387g/常時出力・910.9387g毎秒
・道反玉『ちがえしのたま、御霊振、ふるべゆらゆら。』強度:メガトン級/精神操作術
凄まじい重力を感じる幻覚を見せる。術者近づくほどに強く感じる。魔術的結合による術。
消費魔力量:最大瞬間出力(効果作動時)・9109.387g/常時出力・910.9387g毎秒
・蛇の比礼『おろちのひれ、御霊振、ふるべゆらゆら。』強度:メガトン級/精神操作術・力学操作術
大蛇の幻影を見せ縛る。幻影自体は解除がたやすいが不可視の力学的呪縛も同時に発生させる。境界術式に組み込める。
消費魔力量:最大瞬間出力(効果作動時)・9109.387g/常時出力・910.9387g毎秒
・蜂の比礼『はちのひれ、御霊振、ふるべゆらゆら。』強度:メガトン級/精神操作術・介入術封印護符
魔術術式が封印される幻覚と強力な封印護符を発生させる。封印護符自体は神道の鎮魂祭祝詞で構成されているものだが、あらゆる術式に対応している可能ように偽装する。特に飛行系魔術や身体変化系魔術が封印される。境界術式に組み込める。
消費魔力量:最大瞬間出力(効果作動時)・9109.387g/常時出力・910.9387g毎秒
・品々物之比礼『くさぐさもののひれ、御霊振、ふるべゆらゆら。』強度:メガトン級/精神操作術・介入術
あらゆる呪を解除する布を顕現させる。もちろん布自体も含めてほとんど幻覚であるがトン級(2級術師が主に扱う魔術の強度)程度なら無理矢理解呪可能。神道術ならばメガトン級まで解呪可能。上位術はさすがに祓詞を奏上する必要がある。
消費魔力量:最大瞬間出力(効果作動時)・9109.387g/常時出力・910.9387g毎秒
使用言語:現代日本語(基礎)古代~近世日本語、古代漢語。
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A群/強度:メガトン級/呪文媒体(三種祓詞)・魔術儀式媒体(破魔矢儀式)/霊魂操作術・力学操作術 作成者:宇美部来希
『祓魔術式反転霊魂操作術』【冬の花】
怨霊や霊魂を調伏・支配を行うことで、その霊魂の持つ魔力を利用した攻撃や術を行うことができる術式。動物霊は勿論、怨霊、や人の霊魂、人間の信仰心の狂気が生み出した神霊、人間の感情が生み出した呪いなども魔力の殻を持つ霊魂として扱う。術者は霊魂の核である『魂の情報』を魔術的結合により再現することで任意の場所に霊魂を瞬時に召喚することができる(この動作は術式に組み込まれた自動動作であり詳細な解析は現在においても難航している)。
霊魂操作術の利点は霊魂自体の思考能力を利用できる点と霊魂自体の魔力を利用できる点にある。この術式においては霊魂の魔力を主に利用し、霊魂を衝撃波や防護壁として利用することで召喚以外の魔力消費を全くなく魔術的な動作を行える。また、霊魂自体に自身を透明化する術式を指令することで人間霊魂ならば集中した感知能力者以外には覚られない矢としても扱える。他にも単純な術式を指令することで霊魂の質に応じた魔力量の魔術を自身の魔力を非常に少ない消費で扱える。また、霊魂の殻としての魔力を更に補助することで霊体を与え、生前に近しい能力を与えることができる。
自身の戦闘能力に魔力を追いつかせるために編み出された術式であり、まだ発展途上である。
使用言語:現代日本語(基本)。中古日本語。
消費魔力量:最大瞬間出力(霊魂召喚時)・0.02g/(霊魂術式指令)・0.0002g
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A群/強度:メガトン級/呪文媒体/(宗教術式)力学操作術・身体変容術・精神操作術 『皮膚なきものの凝視』 使用者:アリ・ケマル
皮膚の兄弟団の信奉する神の御業の再現術式。信仰による術は古くより歴史があり現在でもキリスト教やイスラームの分派において利用されている。宗教者にとって呪術・魔術と奇跡は全く異なるものであるが、科学的には全く同じ作用である。魔術・呪術は古い時代から連綿と信仰される呪文や呪い、咒を複数繋げ、時に別言語を利用するものであるが、多くの宗教術式も同じく様々な術を繋げることは可能である、しかし術者の信心に依った思考操作を要求する術式は、複数の術を利用したり別体系の宗教などを利用した場合術者が信仰的な忌避感や疑念を抱き術に対する集中力を保てない場合が多々ある。古代から現代にも続く宗教の術ならば非常に強力な力を帯びるが、バリエーションと発展性に欠ける。
皮膚の兄弟団の信奉する『皮膚なきもの』はその瞳で凝視するのみで生物の皮膚を引きはがす事ができるとされ、それを再現したこの術は皮膚が剥がれてゆく幻覚を見せながらゆっくりと対象の皮膚の一部を実際に剥がしてゆく術式。
使用言語:現代トルコ語(基礎)クルド語、アラビア語。
消費魔力量:最大瞬間出力(発動時)・0.1g/常時・0.003g
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B群/強度:キロトン級/呪文媒体・儀式媒体/境界術 『冥道十二神保護術』 使用者:土御門春奈
土御門家秘伝術式。泰山府君への儀式を昇華した境界術。信仰心の集合的無意識によって形づくられた神霊を召喚し術者の魔力を境界内にて補助する。毎秒0.1gの魔力を回復させる。
使用言語:現代日本語(基礎)中世日本語、中世漢語、古代漢語。
消費魔力量:最大瞬間出力・15g/常時出力(儀式奏上時)・0.2g毎秒
A群/強度:トン級/呪文媒体・儀式媒体/霊魂操作術 『式神調伏術』 使用者:土御門春奈
陰陽師の基本的な術式の一つ。神霊の一種である式神を生み出し、支配し、操作・指令を行う。式神は民間信仰に登場する妖狐、稲荷神、狸、妖怪、などの下級神や精霊を自身の魔力で神霊を召喚・生成し、『調伏』として打ち克つことで支配する。土御門春奈は3年ほどかけて1000体以上の怪鳥『以津真天』の式神を製造。感知圏内で同時に操る。式神の神霊は命令に対して自律した行動で遂行できるが、術者が操作することも可能である。
使用言語:現代日本語(基礎)、中世日本語、近世日本語、中世漢語、古代漢語。
消費魔力量:最大瞬間出力(儀式時)・5g毎秒/常時出力・0.000015g毎秒
A群/強度:キロトン級/儀式媒体/霊魂操作術『式神操作術・極』【簠簋の蠱毒】作成者:土御門春奈
式神に与える特殊な指令。自爆特攻により1000体近い式神の魔力と神霊を集約し向上した一体の式神を創り出す。
使用言語:現代日本語(基礎)、中世日本語、近世日本語、中世漢語、古代漢語。
消費魔力量:最大瞬間出力・50g/常時出力・0.1g毎秒
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A群/強度:メガトン級/儀式媒体・魔術紋様媒体(手印・梵字の刺青)・呪文媒体/力学操作術・霊魂操作術『大黒天神法顕現術式』作成者:眞如
自らに大黒天の法力を宿す修練を行う術を発展させ魔力によって造り出した大黒天により攻撃を行う術式。結界術との併用により間髪のない連続攻撃を必中にさせる。大黒天による攻撃は一発一発が神霊の力と術者の魔力が乗算され、駆逐艦砲撃などに類する威力を持つ。
使用言語:現代日本語(基礎)、中世日本語、中世漢語、古代漢語、サンスクリット語、古代チベット語。
消費魔力量:最大瞬間出力・1250g/常時出力・11.5g
A群/強度:メガトン級/儀式媒体・魔術紋様媒体(両界曼荼羅)・呪文媒体/力学操作術『結界瞬身術』使用者:眞如
結界術式内部にて自らに加速を掛ける呪法。本来は結界術師に使い古された術であるが、簡易結界を重ね、それぞれに加速術式を張り、全てを管理することで各結界内部を自在に移動しつつ加速することが可能となり無限に近しい加速により音速を超える速度を再現できる。魔力によって術者は結界内で保護されるため結界内部での加速は安全であることに加え、自身への反動や負荷を魔力で防護する上での魔力の補助も結界が行う。
使用言語:現代日本語(基礎)、中世日本語、古代漢語。
消費魔力量:最大瞬間出力・500g/常時出力・30g
A群/強度:メガトン級/儀式媒体・魔術紋様媒体(両界曼荼羅再現結界)・呪文媒体/力学操作術・霊魂操作術『両界顕現術式』使用者:眞如
胎蔵界と金剛界を顕現させ、圧倒的な魔力量を発生。それらを攻撃に転用した結界術。最も古い結界術様式に近しいタイプの結界であり、その威力も高い。眞如は術式の魔力補助のため仮想マニ車を発現、念仏の功徳により魔力効率を上昇させている。
使用言語:現代日本語(基礎)、中世日本語、古代漢語、サンスクリット語。
消費魔力量:最大瞬間出力・1000g/常時出力・120g
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A群/強度:核分裂級/物理媒体(身体)・魔術紋様媒体(心眼術式刺青)/力学操作術・神経操作術・境界術 作成者:ドロア・マエスティティー
『心眼術反転式邪眼術』【無明 A farewell to Arms】
第一級の心眼能力と視覚を完全に捨てたことで発現した術式。ドロア・マエスティティーの瞳に刻まれた紋章にある心眼術式は、視覚などの封印により反転し、視るものから消すものへと変貌した。『第一封印』の状態、視界を封じている場合はその瞳にうつったものは全て【闇】になる精神操作術・境界術が発生。『第二封印』の状態、さらに聴覚を封じた場合その境界内に『無音』の効果が添加。『完全封印』の状態で魔術感知能力を完全に遮断した場合、力学操作術が添加。連発は不能な視界に映るすべてのものを破壊する境界が一瞬発生。クールダウンに10秒以上かかる。ケルト語とルーン魔術による『バロールの邪眼』という古い邪眼術により更に威力を増幅させているほか、身体能力の封印式についてはヨーガやチベット仏教の術を取り入れている。
使用言語:ケルト語、アイルランド語、英語、古代漢語、古代チベット語、イタリア語・シチリア方言(基本)
魔力消費量:常時出力・(完全封印)88g毎秒/常時出力(第一封印)・0.005g毎秒/(第二封印)・0.05g毎秒
『霊魂体生成術・交信術』【愛し合う二人はいつも一緒!!__そいつはなによりだ West Side Story】作成者:ドロア・マエスティティーとアモル・リュボーフィ
仮死状態のアモル・リュボーフィの意識をこの世界に繋ぎ止めるために霊体を与える術とアモル自身が他者と交信する能力を得る術。アモルのできることは状況を伝えることのみ。霊体は魔力感知で視覚と聴覚を補う。アモル・リュボーフィーは10歳から不治の病に侵され5年間の闘病生活を送った世俗の少年だった。闘病から2年目に出逢った闇医者のドロア・マエスティティーに治療を施され、三年後、再会する。ドロア・マエスティティーは自らの行った詐欺まがいの行為が一人の少年の生きる意味と活力になっていたことに心を打たれ、アモルを救うために奔走し、アモルの病が現状治す術のないことを理解し、彼を仮死状態で体を保存し自身の魔力と血液を直結することで延命した。その頃からゆっくりとドロアとアモルの精神は混ざり合い、いつしか不可分なものになっていた。
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3.今回登場した秘匿物品について。南極卿財団秘匿物品管理報告書より一部抜粋。
・『鬼の腕』秘匿物品強度:メガトン級 秘匿物品処分:秘匿処分 物品種別:人体・ミイラ 物品魔力量14.5kg
平安の京、一条戻橋に残る逸話、渡辺綱の鬼狩り話に登場する名もなき鬼の腕。後世で渡辺綱が討伐したという茨木童子と混同された。呪術師崩れの野盗の腕であり、生前の憤怒が腕に宿っている。幾人かのコレクターの手からバイヤーを経て『おがみ衆』に渡り、受肉儀式によって『鬼』が再臨した。鬼の復活儀式によって儀式に参加した信者30人が死亡、遺体は全て食べられた。『おがみ衆』は複数の違法団体の協力により『鬼』との協定を締結、以降『鬼』は日本魔界の傭兵として活動。2022年3月2日『鬼』は消滅。秘匿物品は消滅から1時間後に再構成され出現、秘匿二課により回収。
・『血酔鉈』秘匿物品強度:メガトン級 秘匿物品処分:秘匿処分 物品種別:呪具・魔道具 魔力量 5.12kg
平安期に伝わる地方陰陽師の一人が携えていた大型の鉈。呪術を行っていた貴族の家に伝わっていた呪物。その鉈は人間の血を引き付ける呪術を有している。これはこの鉈で多くの人から生まれた化け物を狩り殺したことの証左である。その陰陽師は、術師と言うよりも狩人であり、その得物と同じく、血と己に酔いしれていた。
本来は同じ術の刻まれた包帯により守られていたが、一度回収された際に分かたれ、回収担当者によって売り払われた。回収担当者は「警備課の有馬という男に売った。」と語ったが本人は関与を否定している。神祇寮によって保管されていた。
・『黒山羊』秘匿物品強度:災厄級 秘匿物品処分:秘匿処分 物品種別:呪具・魔道具 物品魔力量300kg
『おがみ場』に存在した『黒山羊の子供たち』という違法団体が所有していた呪物。魔力に触れることで黒い触手が大量に発生し、触れた生物の魔力を吸い取る、その触手がどこから発生し魔力がどこへ行くのかは不明。『黒山羊の子供たち』は儀式にこれを使用していたことが報告される。
本来これの神祇寮での保管は一時的なものであり、秘匿課は再三にわたり輸送指令を下しているが担当者の怠慢により保留されていた。神祇寮保管庫襲撃事件以降『おがみ衆』に保管されていたことが分かった。
・『おがみ衆総本山 おがみ場』秘匿物品強度:キロトン級 秘匿物品処分:破壊済み 物品種別:場所・聖地 魔力量 4.444……kg
『おがみ衆』の聖地。だが、本来は『黒山羊の子供たち』の聖地であったようだ。『おがみ衆』の幹部級構成員は全員が『黒山羊の子供たち』の旧構成員であり、より大衆向けに不況を行うべく『おがみ衆』の名称・教義が作成されたようだ。教義において『おがみ場』は大いなる地母神の恩恵をあずかれる場所であり、ここにおいておがみ衆の聖職者より能われた食事を残さず食べることで幸福と長寿が約束されるという。また、総本山ながら参拝には厳格な規定があり幹部以外の構成員のほとんどは指定された祭日のみ参拝が許可された。参拝者の一部には行方不明者も居り、サバト儀式に利用されていたと予想される。術式的な補助により聖地結界が維持されているが信者数の低迷と幹部会の縮小、サバト儀式の回数の低下から結界の単独での維持が難しくなり術式の補助による結界維持が施されていたと予想される。有穂歩により建造物ともども消失。
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