第12話 雨
雨の音色が頭の中に響き
雨の音色が掌に伝わり
雨の音色が耳の鼓膜を震わせ
雨の音色が地面に広がる
雨が植物の体を駆け巡り
雨が川の流れのひとつになり
雨が海に溶けていく
染み渡る雨粒は誰の上にも注がれる
染み渡る雨粒は誰かを差別したりはしない
染み渡る雨粒は誰かをそっと守っている
ゆったりゆったり時に早く
ゆったりゆったり時に切なく
ゆったりゆったり時に激しく
ゆったりゆったり時に包む
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