第8話 あなたは優しいね



「あなたは優しいね。」


そう言うあなたが人一倍


私を傷つけにきていた


あなたの隣に立つたびに


私は何かを察しなきゃいけなくて


あなたは私の間違いを


自分の正しさに置き換えよと


虎視眈々と見張っていたのよね?




自分からは何も発信できない


そんなあなたが大嫌いでした


あなたが私の地元に現れた瞬間から


地元の空気感が一気にガラリと変化した


まるで異物を追い出すかのように


突き刺さる空気が


周りの人間の間違った認識のもとに


繰り出される視線が


私は不思議で仕方なかった




あなたのことが大嫌いでした


態と試すようにいうセリフも


態と甘ったるく出される声も


君の中の間違った認識の私を引き出すための


その全てが


私は大嫌いでした




誰かに関わった人間たちが


こぞって勘違いの如くに


攻撃してくる日常が


心底嫌いでした


そして世間がそれを許容したことも


心底嫌いでした




まだ分かってくれないの


外出しても許してくれないの


彼らの姿を日替わり弁当のように


認識させなきゃ世間は一生許してくれないの


病院の先生でさえ


どうしても私を攻撃しているとしか思えないの




まだ分かってくれないの


世間の人が称するカワイイ人を


私がカワイイって言えないだけで


害虫扱いの如くに罵詈雑言を投げつけられる


どうして許容してくれないのかな?


彼らのカワイイ人を私がカワイイって思えないのは


当然なんだと




ただ静かに呼吸をしたかっただけなのに


それを阻止するために


他人が言葉を放つ


死ぬまで放してくれないこの輪の中


どこから軸がずれたのか


あなたが初めにイジワルしてこなきゃ


とってもすんなり済んだのにな



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